見出し画像

ドーナツ猫のドーナツが大きくなった

我が家には首にドーナツを二個巻いている猫がいる。ホイップという。略してホイ。

ドーナツを巻いている理由については以前の記事を読んでいただくとして、ホイップを見ていると、そのたくましい適応能力に感心してしまう。

だって自分がこんなドーナツを首に二個も巻かれたら、まあ、しばらくは「エリザベス女王ごっこ」と称し、中世貴族風に「オホホ」と高笑いして愉快に過ごせるかもしれないが、そうした遊びだってすぐに飽きる。自分も飽きるし、周りも飽きる。そして呆れられる。

後には首にドーナツを巻いた自分だけが残る。孤独である。

それでもホイップは、このドーナツをもはや自分の体の一部のように扱い、なんら嫌がることなく日々を送っている。寝るときなんかは枕みたいに活用して、むしろ心地良さそうですらある。

自分がホイップだったら、これほど前向きにドーナツを受け入れられるか自信がない。今すぐ外せと大騒ぎして、周囲に甚大な迷惑をかけるかもしれない。だからこそ、ホイップすげえ、と思わずにはいられない。種を超えた畏敬の念さえ抱かせる。

そんなホイップのドーナツをこのたび、新調した。

明らかに不満顔である。

がんばれ、ホイップ。

++++

個性豊かなライター陣によるエッセイやレビューを毎週掲載! “コトバと戯れる読みものウェブ”BadCats Weeklyは下のリンクからどうぞ!

これもう猫めっちゃ喜びます!