見出し画像

テレワーク日数と肩こりや目の疲れ、腰痛は関連するのか? 〜産業医科大学と共同研究プロジェクトより〜

こんにちは!
株式会社バックテック インターン生の手塚です!

今回は、初回の緊急事態宣言中における従業員の健康課題について調査したことを2020年12月に国際論文として投稿しましたので、その論文について簡単にご紹介したいと思います。

どんな調査?

2020年3月から新型コロナウイルスが蔓延し始め、感染拡大・医療機関の崩壊を防ぐために政府は2020年4月に緊急事態宣言を発令しました。これにより、多くの企業はテレワークを急遽導入し、従業員の働き方は大きく変化しました。

テレワークは新型コロナウィルス感染リスクの軽減に効果的ですが、導入する際、健康課題(肩こり・目の疲れ・腰痛)の予防として、テレワーク環境を整えることが重要であると報告されています(Montreuil S, et al., 2003 )。そのため、テレワークを急遽開始した従業員は、健康課題を感じていることが推測されます。

そこで、私たちは産業医科大学と共同研究プロジェクトを立ち上げ、「緊急事態宣言後にテレワークを開始した者において、テレワーク日数と健康課題(肩こり・目の疲れ・腰痛)の有無との関連を調査すること」を研究の目的としました。

どのような結果?

テレワーク日数と肩こり・目の疲れ・腰痛の訴えとの間に有意な関連がみられました。なお、因果関係は明らかではありませんが、本緊急事態宣言前の健康課題を交絡因子(※)として調整しているので、緊急事態宣言前の健康課題の有無にかかわらず、テレワーク日数と緊急事態宣言中の健康課題に関連があったと解釈することができます。このような結果が得られた1つの理由として、座位時間の増加があげられます。新型コロナウィルスの流行後、座位時間の増加が報告されており、座位時間の増加は肩こり・腰痛の危険因子とされています(Ariëns GA, et al., 2001, Park S-M, et al., 2018)。また、仕事中はパソコンを使うことが多いため、座位時間が増加することでモニターを見る時間が長くなり、目が疲れやすくなると考えられます(Dessie A, et al., 2018)。
※交絡因子:要因(テレワーク日数)とアウトカム(健康課題)の双方に関連する因子

最後に

コロナ禍に伴うテレワークで座位時間が増え、様々な健康課題を抱えている人は増えているのではないでしょうか。テレワークでは、こまめな休憩を取ることをより意識することが必要です。

そんな肩こり・腰痛に悩む人の助けになるよう、私たちはエビデンスベースでサービスを提供しながら、エビデンスの創出にも注力しております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?