ゲーム業界で堅実にキャリアを積みたい人向け。会社選びのポイント。
※コンシューマーゲーム中心、かつジェネラリスト向けの内容です
どちらにも会社選びの参考になれば幸いです。
開発会社をおすすめしたい
いきなり結論パターン。
今は開発会社がおすすめ。
近年では、あの有名タイトルでさえ大手さん社内で開発しているとは限らない。
性質上、内部しか作れない限られたビッグタイトル意外は外部開発会社に委託するケースも増えている。
その発注先の開発会社が狙い目。
有名タイトル、かつ全ての実データに触れる。
そこから開発のいろはを経験できる。
大元のパブリッシャーに入れば?
と思うかもしれない。
でも開発は外にお願いしているはず。
となると、あなたのやることは無いかも。
大手さん社内開発の巨大タイトルには中核の優秀なスタッフが集結している。
そこに飛び込むのももちろんアリ。
ただ、希望通り行くかは分からない。
運良く入れてもしばらくは外野の仕事かも。
内野ポジションにつくのは容易ではないはず。
といっても筆者にも想像が付かない…
あくまで想像です。
逆に開発会社を選ぶメリットもある。
とは言っても新卒の方なら親御さん目線では有名企業の方が…って場合もあり。
一般には知られない無名な開発会社はちょっと…というご意見も分かります。
もちろん選択は自由。
もし大手さん志望でも役立つ普遍的な内容も含まれます。
今回はそんな会社選びの要点をご紹介。
全て容易に検索して得られる情報ではないため可能な範囲で調べてみましょう。
あとは、エージェントを通して得られる情報、面接の場で。
開発会社選びのポイント
■社員構成
エンジニアの社員比率は1/3程度は欲しい。
何といっても開発の要の大事な仕事。
ゲームロジックはもちろん、描画まわりも重要。
これ無しにはアーティストの欲しい絵は作れない。
アートとエンジニアリングの連携は作る物の価値、信頼に直結する。
後で知ったでは遅い重要ポイント。
■技術に対する考え方
テクニカルアーティスト(TA)という職がある。
アートとエンジニアリングの中間、橋渡し的な仕事と認知されている。
ただ明確な定義は無く、各社で考え方の差がある。
エンジン上のノードベースなコーディング、オーサリングをするアーティストをTAと呼ぶ会社。
MEL、Pythonでツール開発したりHLSLでシェーダー書いたりとエンジニアリング寄りに考える会社。と様々。
またTAを含むR&Dチームを持つ会社も中にはある。
それもまた自社エンジンやミドルウエアのライセンシングなどゲーム開発とは少しズレる場合もある。
開発会社でTAやR&Dの部署を置くケースは少ない。
が、そういった役割りを担う人が不在なのではない。
部署で囲わずエンジニアが役を担う場合も多い。
大事なのは、部署のある/なしでは無く、独自の技術、知見を積み上げ、価値に繋げて行く姿勢があるか?だと思う。
■開発スタイル
タイトル丸ごと開発している会社が理想。
別に開発の一部パート請けでは駄目という話しでは無い。
ここではスペシャリスト方向でなく、ジェネラリスト方向で考えているため。
良い悪いの話しではないので、変に受け取らないで欲しい。
しかし開発スタイルと予算やクライアントとの距離感に関係はあるという少し生々しい話し。
タイトル丸ごと仕事は一次請け。
部分請けは二次請けになる可能性も高い。
よって単価面の違いもある。
どちらか言うと単価よりも先程の開発会社を選ぶメリットが薄まるところが大きい。
できたら丸ごと一本開発で一次請けしている会社がいい。
しかし、外から見てもなかなか分からない。
では、どうやって調べるか?
となかなか骨が折れる作業…ここはエージェントさんを頼るのが一番手っ取り早いかもしれない。
逆にあまりアテにしない方が良い情報というのもある。
会社サイトの情報を鵜呑みにしない
なぜ?と思うかもしれない。
でも信じるなという意味では無い。
できれば参考くらいに軽く考えて欲しい。
■開発実績について
会社サイトの多くには開発実績の情報もあるが、担当範囲まで詳細な記載が無い場合も多い。
さらにゲーム開発は短くて3年、長くて5年くらいかかる場合もあり…長い。
そんな中、情報の鮮度が新鮮なはずはない。
実績を見て自分もこんな作品を作りたい!
って思ったところで、それは実現しない。
それはもう過去の鮮度が落ちた情報だから。
■パブリッシャーさんとは次元が違う
IR情報やユーザーに向けた情報発信、告知という義務がある。その点で開発会社とは全く情報量、機能面で別物。
■開発会社のサイトは手抜きでもいい?
開発会社はもちろん販売元では無い。
よってパブリッシャーさんのような責任も無い。
なぜならユーザーが見ることはほぼ100%無いから。
加えて、実績を見てinfoから仕事の相談が来るケースもほぼ無い。仕事依頼はサイトは介さず直接話しが来る。
そのくらいの人脈や信頼が無いと一次請けは難しい。
採用専用ページが無い限りサイトからの応募も無い。
なので、会社の所在地確認と会社の規模感とか会社情報を見る程度でいい。
と会社サイトがシンプル、情報が少ないのには理由がある。
■変な応募者を寄せ付けない
あと、大袈裟に実績を出して有象無象の変な応募者を寄せ付けたく無い意図もある。
そんな大量に応募者が来てもさばけないし…
会社ごとの採用ルートは大体決まっている。
そこである程度フィルタリングされ、書類審査に至る。
なので、そのフィルターを通過しない応募は困る。
大手さんで契約社員スタートなのは、有象無象がやって来るし採用後にも念のためフィルターが欲しいという事情があるらしい。
面談で必ず確認するべきポイント
色々と調べて興味を持った会社の面接。
そこにたどり着いたら気にして欲しいこと。
まずは、先程の社員構成や技術面、開発スタイルの他、以下の話しは会社として重要。
ここはさらに重要なポイントの話し。
この話が出て来なかったら要注意。
一次は現場リーダーやマネージャーと話すことになる。
そのレイヤーの人から下の3点の内、特に最初の項目について話しが無い場合は、その会社を疑った方がいい。
少なくとも1.の話しが、一次担当の人間に浸透していないのはマズい。
他は話しの流れや質問で引き出てもいい。
あと1.は面接受ける側が質問するものでは無い。
何となく上から言ってるようで感じが悪くなってしまう。
なので1.の話しが無いなら引いた方がいい。
以前、上の記事で筆者の失敗談を書いた。
時間があれば参考までに読んで頂けると嬉しい。
色々な理由が分かって頂けると思う。
また長くなってしまった…
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!
最後に、会社選びは慎重に。
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