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副籍制度を体験してみて④


去年から続くシリーズです。
前回まではコチラ↓

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“11月の学校の展覧会に作品を出しませんか?”

と、副籍校に声をかけていただき娘の作品を展示していただけることに。
作品自体は通常通っている学校で作成したものですが、娘は喜んでいました。

事前に作品を学校から持ち帰り、副籍校に届けました。

本当ならば展覧会の前日、児童鑑賞日に参加させてもらう予定だったのですがスケジュールが合わず…。
土曜日の作品展だけ伺おうと思っていたのですが副籍校から連絡が。

“展覧会の日に授業公開もあり、造形の授業でビニール袋を使ってみんなで作品を作る予定です。ぜひ参加しませんか”

というお誘いをいただきました。


急きょだったのですが、ぜひ!と参加することに。


当日は、交流クラスのテーマはビニールで大きなかまくらを作るというものでした。
持ってきたビニール袋を膨らませる担当と、それを繋げていく担当に分かれて作業。

子どもたちはどんどん作業をしていき、この日は娘に話しかける子はほぼおらず、黙々と2時間の授業をビニールを膨らまし続けた娘…。
他の子たちはワイワイお喋りをしていて、盛り上がって楽しそう。
授業公開だったので保護者の方も参観していて、私は(今日はつまらないかな…大丈夫かな…)と心配しながら見ていました。時々、ジェスチャーで声を掛けてくれる子がいて、“膨らませたらこっちに渡して”とか、“黒板に絵を描こう”と誘ってくれていた様子でしたが、それ以外はポツンと。

2時間の授業時間のち、なんとかビニールかまくらが完成し、グループごとに中に入ってみます。担任の先生が写真を撮っていました。

娘は、かまくらの中に入れたことはとても楽しそうでした。


あっという間に授業時間が終わりましたが、先生がバタバタとどこかへいくと思ったら、今撮った写真を大きく印刷して娘に渡してくれたのです。授業中先生はほとんど娘とやりとりすることはなかったけれど、先生なりの関わり方だったのでしょうか。


今回みたいなそれぞれが作業をする場面では、コミュニケーションは難しかったのかな?子どもも先生も、何かあると“母である私を介して”娘と話す。

私としては、正しい手話が分からなくても、ジェスチャーであっても、娘と直接やりとりしてみてほしい気持ちがありました。娘に対しても、もっと積極的に自分からいきなよ!と心の中では思ってしまっていました。
でも…我が子含め子どもそれぞれの性格もあるし、先生にもよる。
【耳が聞こえないということは】を理解するのには時間が必要なのと、実際関わらないと分からないことが多いでしょう。

どういうアプローチの仕方が良かったのだろう?事前に配慮事項を伝えてはいるけれど、こうしてください!って言うことは学校側にとっては要求が多いと思われるのではないか…?
お客さんのような立場から関係が変わらないし、何度か交流するのち周りのみんなも物珍しさが無くなって興味がなくなったのかもしれない…

なんてネガティブ思考になる母でした。


娘にどうだったか聞くと
「楽しかったよ!」って…。

これは母の気持ちを考えて言ってるような気がしました。


その後、展覧会会場の体育館へ。
学校の児童の作品が綺麗に飾られている横に、副籍交流のお友達の作品として、目立つように飾ってくださっていました。
他の学校の副籍のお子さんの作品もありました。
娘は自分の作品が置いてもらえたことをとても喜んでいました。


後日。
作品を返却してもらいに学校に行くと、子どもたちからの作品への感想がいくつか書かれていました。
それを読んで、嬉しそうにしていた娘。

お互いにとって、この経験は意味のないものではない。
目に見えるような楽しい空間での交流やコミュニケーションでなくても、きっと何か意味があるはず…。

そう信じて通っていますが、正直来年度をどうするかは悩んでいます。
娘は一度、「もう来年は行かない」と言いました。

壁があまりなく、みんな積極的に関わってくれたウェルカムな低学年の時代から、それぞれが心の成長もして友達との結びつきが強くなってきたと感じる今年。

この先をどうするか…。

娘の気持ちを大切に、どう考えているかちゃんと聞こう。



そう思った矢先、思いがけないことが起こるのです。


続きは次回。



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