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副籍制度を体験してみて③

こんにちは。
ベビーシッター業をしているアサミです。

副籍制度とは特別支援学校に通う子が地域の学校と交流する機会を持てるもので、普段は他市の聴覚特別支援学校に通う娘が、住んでいる市の学校へ交流へ行った話を書いているシリーズです。

①②は去年の話で、今年また新たに参加してきたので記録しておきます。
同じ学校、同じ学年への交流です。なので、去年のこともあり覚えていてくれる子も多く、クラス替えはしたものの半数ほどが去年のメンバーです。

今年も交流にあたって、1学期中に事前打ち合わせをするためにはるばる電車に乗って学校の先生方2名が我が家の地域の学校まで来てくれました。担任の先生が地元に来て、不思議そうな、恥ずかしそうな娘。
校長室をお借りして、今年度どのように進めていくかを話しました。
丁寧にこちらの希望を聞いてくださり、次女の希望は「国語や算数の勉強じゃなくて、体育や図工に参加したい」とのこと。
いわゆる“学習”はやはり、通訳も不十分な中の内容の理解や進度についていけないような気がしたのでしょう。そこを汲んでくださって設定をしてくれました。

今年1回目の交流は9月。
クラス替えがあり、担任の先生も変わられたので娘もドキドキしていましたが、朝の全校集会(ゲーム集会)、1時間目の体育(ドッジボール等)、2時間目の学活(自己紹介やビンゴ大会などの交流)と、娘の楽しめる時間を計画してくださいました。

休み時間には、メモの筆談で女子トークが行われて学校の子に「好きな人はいますか」なんて聞かれちゃって、可愛いなぁと見ていた私でした。

2回目の交流は、図工2時間。
いつもは版画をやっているそうなのですが、その日だけ変更して“オリジナルキャラクターを描いてみる”という内容にしてくださいました。
娘の描いたオリジナルキャラクターに、「絵も字も丁寧で上手!」と褒めてくださり、感想カードにみんなからのコメントをたくさんもらい、画面に写してまでみんなに紹介してもらったりかなり特別待遇(笑)恥ずかしいけれど、嬉しそうな娘でした。

そして今回は初めての、給食!(給食は実費です)
特別支援学校なので普段は片手あれば数えられる人数のクラスで過ごしている中、30人のクラスでの給食は貴重な体験だったと思います。
母は廊下でその様子を見ていました。

給食後は、先生が誘ってくださり校庭で大縄に参加。先生…私より年齢が上かと思われるのですが、食べた後にすぐ子どもに混じって大縄跳んでいてすごかった…。
そういえば、noteには書いていませんでしたが去年の3学期の交流で大縄大会に参加させてもらっていたのでそれを思い出しました。
クラスごとに8の字跳びで回数を数えるもので、白熱した大会でした。
今年も出られるかな?

そんなこんなであっという間の交流の時間でしたが、「楽しかった!」と言ってくれたので良かった。
去年は姉がいたので休み時間には声をかけてくれてりして安心していたのですが、卒業してしまったので今年は交流に行くというか分からなかったので…

学校の子どもたちが成長している姿にも驚き、嬉しかったです。成長とともに、「手話分からないから何て言えばいいんだろう」と言っていたり、去年までの無邪気に何でも聞いてくる姿とまた違って妙に落ち着いてしまった部分もありましたが…。
それは、それでいいのですよね。

副籍交流に行ってみて、「あぁよかった!楽しいなぁ!」だけではありません。
聴覚障害があること、耳が聞こえないってどういうことなのかを理解してもらうというのはなかなか難しいこともあります。先生方も、筆談してくれる場面もありますが、基本は口で話すので娘は全く聞き取れません。娘はそれを身をもって知るでしょう、世の中、ほとんどが聞こえる人であり、自分はマイノリティなのだと。そして自分のことを特別視されたり、お世話してあげなきゃいけないと上から目線で見られたり、気を遣われたり、どこか壁があることも。
何かあれば母に聞く子が多く、自分と直接やりとりをしようとしてくれる子は少ないということも。
現実は、そうなのです。

でも、行ったことできっとお互いに何か得るものがあるはず。
そう信じて、娘の気持ち優先ですが、行きたいという時まで続けるつもりです。

娘はわりとメンタル強めなタイプであるのと、私自身が子どもに関わる仕事をしてきて子どもの言動や行動に慣れているというのも大きいかもしれません。
副籍に行って、いい思いをしなかったという話も聞きます。受け入れ側にも、学校や先生の対応にも差があるようです。それはどこも同じですけどね。

早いうちから必要以上に守りすぎず、いい意味でのたくさんの社会経験をさせたいと思っているので、これからも娘がやりたいと言ったことには積極的に、自分では得られない情報もあるのでそこは親が繋げてあげられると良いかなと思います。

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