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今日だけ

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NAのワークブック「今日だけ」のアンサーダイヤリー(回顧録)
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#日記

幸福

 心の中に巣くう「闇」を認めたくないため、他者に対して「いい人じゃなければならない」「有益な人間でいなければならない」「必要とされる人でなければ自分には価値がない」とレッテルを貼って常に自分を窮地に立たせていた。元々「人に対して良いことをしたい」という気持ちで行動しても、人に何かをすることで自尊心を満たすのは、ただの承認欲求だったり、エゴでしかない。さらに、その気持ちに少しでも理想を求めると、人をコントロールしたくなるので、相手の意思を尊重する行為ではなくなってしまう。本当に

過去の価値

 薬物使用で多くのものを失い、依存症になって後悔している人は多いと思う。自分もそんな中のひとりだ。自己責任だといいながら、人生で関わってくれた人たちに悲しみと失望を与えてしまい、ことの重大さがわかって絶望し、そして生きる価値を失い、ただ食べ、そして寝るという、目的のない生活をするところまで堕ちた。「薬物を使用しなければ良かった」という単純な話ではなく、自分の人生を振り返り、見直しをする機会が与えられた。  「自分の内面に目を向けることに希望がある」なんて考えることも出来なか

正直な心を養う

 正直にすべてを話したつもりでも、心の声が残っていることに気がつくようになり、「心の声に耳を澄ます」という静寂の時間を受け入れることが出来るようになってきた。自分の気持ちに正直になることに抵抗感が薄れてきたものの、それに合わせた行動に違和感やもどかしさを今も感じてしまう。「言い訳している」とか「怠けている」というワードが脳裏にすぐ浮かぶクセが、いまだに治らない。「どうすれば、最善の選択が出来るのだろう」というのは今後の課題だろう。   自分の気持ちに正直になり、その気持ちを

自分の回復を守る

 薬物依存症や障害と向き合うには、自助グループの存在がとても大きな役割や効果をもたらしてくれる。仲間の支えや調和も自分の取り組み方や態度次第で何かしらの形で自分に還ってくる。  「自分に正直になる」「素直に話をする」というのは勇気がいることであり、抵抗したくなる。相手の反応を気にしてしまい、そこに期待と不安をもってしまいそうになるし、なによりもはずかしい。ここを突破することが一番の目標になっている。言いたい気持ちや話は山ほどある。  しかしながら、一般的に幻覚性物質を使用