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亡き幸太、15才の誕生日

上記の記事にもあるように、ネグレクトされて育ち、老犬となってそのまま放置された幸太。
我が家では初めての小型犬ということもあり、
「ちっちゃいおじさん」などと呼ばれておりました。

本当に小さくて、バッグに入るくらいの子でした。
猫の琥珀の方が体長・体重ともにはるかに大きく、
幅の空いた階段や段差などは抱っこしてのお散歩。


我が家に来てたった1年少しで虹の橋を渡りましたが、最期の1年だけでも飼い犬らしく、犬の仲間や猫たちと暮らし、小さな体ながらも犬らしい恩義を常に構えている子でした。
或る晩、わたしが持病であるヘルニアの激痛に悩まされてベッドで唸っていたとき、いつもはそんなことをしない幸太がベッドの上に来て、その小さな体でわたしにギュウっと強くしがみついてくれたのはいまだに忘れがたい思い出です。
きっと主人の異変に気付き、なんとか励まそうと、「頑張れ、頑張れ」と必死だったのでしょう。
ただくっつくとか、寄り添うとかではなく、本当に四肢でしがみつくように強くわたしをギューッとしたまま、何時間もそばにいてくれました。

これまで誕生日や、それらしい祝い事の一つもしてもらったことがないかもしれぬと、先が長くないであろう幸太のためにわたしの正絹の羽織をくずし、手縫いで縫い直して七五三の衣装を作った事。

幸太は、保護したときにはすでに癌で、血液検査の全項目の数値が悪く、おまけに高齢なこともあり「手術は不可能」と最初から言われていたからです。

保護した日から1年過ぎて、誕生日(うちの子は保護した日を誕生日にしています)も祝えたこと。

最期の日は、「ああ、これが最期だ」とわかったその時から、40分近くハアハアと息をし、痙攣をし、それを繰り返しながらわたしに看取られ旅立ちました。


幸太、15才だね。おめでとう。
亡くなってから49日が過ぎたころだったろうか、夢の中に出てきてとても大切なことを伝えて行ってくれましたね。
ちゃんと、覚えていますよ。
あの時あなたが夢の中で教えてくれたこと。


ネグレクトされていたあなたは、ドッグフードがあまり好きじゃなかった。
最初はドッグフードを、食べ物だとも認識していなかったね。
菓子パンやらお菓子やらを食べたがって、奥歯以外の歯が一切なかったあなたの、これまでの食生活がわかるようなそぶりだった。



今日はお誕生日だから、菓子パンやお菓子をお祀りしよう。
好きなだけ食べられるようになったあなたのために。
たまにはまた、夢に出てきてください。
いつでもね。
言いたいことがある時に、
伝えたいことがある時に、
会いたいときに。






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