新・現職教員の教職大学院での学び⑤-教職大学院は変化の種がそこら中にある環境-
まさに秋涼の候です。気がつけば教職大学院生活の4分の3が終了しようとしています。無事修了できるか不安です。仮に修了できなくても教員人生が終了になることはないという開き直りの気持ちも少しだけあります。
約一年半の教職大学院での学びを通して、自身の変化を感じることが増えてきました。特に教員の力量形成やチームづくりに対する考え方の変化は顕著だと捉えています。
現場にいた時は、教員の力量形成であれば、例えば初任の1年間で板書の技法や発問の仕方を身につけて、3年目では・・・といったように直線的に教員の力量形成を図る必要があると考えていました。そのために、いわゆるHOWTO系の教育書を読んだり、研修内容をよりスキル獲得に偏重させたりといったことを行ってきました。 チームづくりの考え方においては自身の人間性を磨き、チームメンバーとのコミュニケーションを充実させることがチームづくりの基礎基本であると考えていました(今でも大切な点であると感じています)。そのために日々の冗長なコミュニケーションにかなり力点を置いてきました。
しかし、教職大学院の学びを経て、教員の力量形成は直線的に行われるものではないこと、一定の研修を受けたり、○○スタンダードのようなものを単純に実行するだけで簡単に身につくものではないことがよくわかりました。また、そもそも教員の力量とは何か?という点を問い直すことが増えました。単純に授業や学級経営を成立させるための「スキル」だけではないはずです。
チームづくりに関しては、マネジメントやリーダーシップを理論的に学ぶとともに、チームビルディングには一定の段階があり、学校組織には学校組織の脆弱性があるといった点を踏まえたチームづくりが必要だということが理解できました。さらに、自身が行なってきたチームづくりの弱点(民間企業でいう事業部制組織のように囲い込みや、同質性が強くなる)もはっきりと自覚できました。そのために自身が今後現場に戻った際に行ってみたい実践も朧げながらに見えています。
こういった変化は大学の先生や現職院生、学卒院生等の考えや実践に触れ、自身の行いや考えを客観的に省察する機会が無数にあるからだと考えています。毎日のように自身の変化につながる種がそこら中に落ちている環境は大変ありがたいです。変化につながる種がそこら中に落ちているという環境こそが教職大学院に通う最大のメリットかもしれません。
稀なことですが、かなり批判的に物事を捉える院生もいらっしゃいます。特定の教育手法を支持し、自分の考えにそぐわない考えをもつ方を悪く言う・・・といった場面を授業内外問わず見たことがあります。批判的に見ることは重要だと思いますが、自身が信じている教育手法の前提を疑ったり、謙虚に他者から学んだりする姿勢は必要になるでしょう。
最近は教員が新たな学びを受け入れる素地はどのように作られていくのか。といった点にも興味が湧いてきました。成人学習論云々ではなく、どういった教育現場での経験を得た上で自身の教育論といったものが定着し、それをどのように確立させていくのか。さらにそれを崩すためには何が必要かといった点です。
残り4分の1の教職大学院生活を充実したものとするためにも、新たなチャレンジを続けたいと思います。
今日もご覧いただきありがとうございました!皆さん良い週末をお過ごしくださいね🌸(もし、少しでも教職大学院進学を考えているという方がいらっしゃいましたら、チャレンジしてみることをオススメします!!)