触れたいだけ
左耳から突然聞こえた耳鳴り
ねぇ、どこにあるの?
ねぇ、どこにいるの?
伸ばした腕に付いていた手のその先に付いていたその人差し指のその1ミリ先に真実というものがあるとするなら
我はその温度を感じることが出来るのか
その匂いを感じ取ることは出来るのか
命に意味などない
その指の先だけを見ている
それが例え無機質なものだったとしても
それが例え触れたら消えて無くなってしまうものだったとしても
それが例えこれから生きる理由にならなかったとしても
おねがい
おねがいだから
連れて行っておくれよ
君が見ている世界にさ
もう壊れてしまって構わないんだよ
もう終わってしまって構わないんだよ
だからさ
その一瞬を
その刹那を
どうか
どうか
この感覚に
この息に
この光に
この音に
終わり無きこの音に
その心臓に触れたいだけ
そのものに触れたいだけ
見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!