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poetry

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#散文

outside the word

世界は、無色透明で、音もなく、ただそこにあったんだ。 そっとヘッドホンをして、好きな歌な…

3

nukumorika

どんなに寂しい夜でも、誰も救いはしないよ。 また朝は来るとかさ、そんな退屈なことはもうい…

1

見知らぬ森に迷い込んだ羊

一匹の羊が、見知らぬ森に迷い込んだ。 首を右へ左へ小さく揺らしながら、恐る恐るその一歩を…

2

明日を待ってる

薄明かり公園の電灯の下 静かに開いた本の中に 浮かび上がった一言 それが何かは思い出せない…

4

相対的な世界に生まれたレジスタンス

男は道端に落ちていた誰かの希望を見つけた。 優しく拾い上げて、一言「ごめん」と言った。 罪…

3

解けた首輪とペティグリーチャム

あの日窓ガラスは水滴に溢れて 待ち遠しかった 外は雪模様 扉が空いたら カラカラと音がし…

3

虚空の彼方へ

過去に憧れる自分が映る その水面に あぁ 風が吹く でも 命の最初を見つめても そこには何も無かったんだ どうしよこのまま 思い出を抱いて どうしよこのまま 空に飛んでみようか だったら今すぐ荷物をまとめて 小さな手紙を瓶に詰めて 流れゆく時間に投げ出したなら さぁ さぁ いつまでも明日は待ってくれない なんでかなんて知らないけど 想像より遥かに複雑な この心情とともに走り出す ほら もう一歩だけ もう一歩だけ
進めば何か景色は変わるの? 誰も知らない そんなの知ら

巡り巡る創造なき世界 掠れゆく憧憬 消え行く彩り それでも尚 残された心緒が 行く宛も知れ…

5

全てのものが自らの生を堪能できる世界

拭い切れぬ潜む虚空と、汗ばむ体の間に佇む空間は、何処か居心地が悪そうで、申し訳程度に温も…

9

舞い降りた曲と花の間に

突然舞い降りた衝動が 一編の曲を生み出した 身体に流れる音楽が外界に飛び出た時 そこに一輪…

4

見慣れた景色が変わる時

コンクリートの隙間から雑草が生えていた それはきっと僕の気分がよかったから 登る朝陽に目…

5

ほとり

描いた雲がどこか歪で この世の世界にあるものとは思えなかった よく見たらそれは 虚しさに苛…

2

吐き気がする

血の匂いがしない 血の色が無い 血のおどろおどろしい形態は無い 血に体温がない 思わず目を背…

3

いつだって自由だった

窓ガラスに付着した結露の向こうに蒼を見た 見える景色はいつだって変わらない いつもの誰かの喜びと いつもの誰かの悲しみがあって 今日生を受ける人と 今日生を終える人がいて 今行こうとする人と 今帰ってきた人がいて お腹が空いている人と お腹いっぱいの人がいて 全てに飽き飽きした人と 胸を焦がし続けている人がいて そんなものは何も関係なしに止まらぬ時間があって 回転し続ける世界があって 愛も 希望も 夢も 情熱も ただそこにあって それをどう名付けてもよかったし どう意味を持