無題の日#10

 写真を仕事にしたいと決めたのが七月上旬、本当にいきなりのことだった。それまではいかに趣味として楽しむかを考えてばっかりだったから、まわりの人たちもおうおうどうしたという感じだった。
 きっかけは職場の同期の、いまの仕事を正社員として続けなくてもいいんじゃない、三日くらい働いて副業すればいいよという、たぶんなんの気ないだろう提案だった。え、それじゃんと思った。いわゆるプロのカメラマンになるのは並大抵のことじゃないけど、並大抵じゃないほど頑張ってこの先の人生を好転させるのは、じぶんのことを好きになるのはこれしかないと思った。
 いまは机の上の勉強中で、来月から合格するまで研修を受けるのだけど、小手先だけじゃ無理なのでつらいこともあるに決まってるけど、ぜったい頑張る。
 そう思うと今年の上半期はぼくなりに趣味としてのカメラに向き合ってきたなと思う。オートでしか撮れなかったのにいつの間にかマニュアル操作ができるようになって、写真を撮る機会がないからと友達からはじめましての人までいろんなかたちで声かけなどをして(協力してくれたみんなほんとにありがとう)、人を撮るのって楽しいなって思って、コミュニティ活動にも積極的に参加して、あーもうカメラ嫌いかもしんないなあって思うときもあったけど素直に先生に相談して解消して、人生はじめてこのひとになりたいって思えるひとに出会って、うんうんうんうん、いろいろあったね。
 夢があって、プロのカメラマンになること(カメラマンとして収入を得ること)はそうなんだけど、その先でやりたいことがある。恥ずかしいけど夢は語った方がいい。
 写真に写ることがひとつの娯楽であるという文化をつくりたい。記念日にホールケーキを食べるように、記念日に写真を撮られたいと思う人が増えて欲しい。今度の休み何する?という問いの提案に、ディズニー行こう!が出てくるように写真撮ってもらおう!が出てくるようになって欲しい。それからこれはある種自己満足かもしれないけど、同性のカップルが堂々とカップルとして被写体をすることのハードルを下げたい。被写体の不安ってそのまま表情にでるから、安心して楽しむ場や雰囲気を提供できるようになりたい。
 夢、語ったからには頑張ろうね。叶えようね。

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