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モータースポーツの新しい動き Juju選手

モータースポーツに詳しい人ならすでに知っていると思いますが、かつての日本人F1レーサー野田英樹氏の娘である野田樹潤さん(登録名Juju)が先日、日本最高峰のフォーミュラカーレースであるスーパーフォーミュラ(SF)のテストドライブを行いました。

このテストドライブは、SFにレギュラー参戦する選手、国内外の有望レーサーなどが参加するものです。

そこでJuju選手は、まだ17歳の現役女子高生にもかかわらず、周囲の本気でF1を目指す男性レーサーに負けてはいますが引けを取らないタイムを初搭乗のSFマシンで記録しました。


なんと彼女はレースデビューが4歳、6歳ごろには頭角を現し9歳になると特例で大人と同じクラスに出走しては優勝を重ねるという天才といえる成績を残しています。

当時の写真がどこかの映像で流れていましたが、表彰台の左右におじさんと若い男性がいる間で、背の低い明らかに場違いな女子小学生が1位で立っている姿は、驚きを超えて少し笑いを呼ぶほどの意外性がありました。

その後も、14歳で挑戦したデンマークのレースでデビューウィンを飾り、今年フランスのEFOで優勝し、イタリアのF2000フォーミュラトロフィーというクラスで女性初の年間チャンピオンに輝きました。


初めてという大変さ


F1はその下にF2、F3というカテゴリがあり、SFはF2と同じか少し下と考えられていますが、17歳というのは男性の中でも非常に若く、まだF3以下の新人向けレースで戦う人が多いです。

2023年のスーパーフォーミュラ最年少はリアム・ローソン選手で、F1にも数戦出場しており、F1の最年少ピアストリ選手と同じ21歳です。
ちなみに角田選手はそれより1歳上の22歳ですが、その歳ですでに3年F1に乗っているという凄いレーサーです。

さらに言うと、F1で3回目の年間チャンピオンとなった現役最強のマックス・フェルスタッペン(26)は、17歳のとき史上最年少でF1に乗っただけでなく、翌年18歳(これも史上最年少)で勝利してしまうという、年齢を超越した恐るべき才能を発揮していました。


現在日本の女性レーサーがカーレースで活躍する場は非常に少ないですが、日本だけが遅れているわけではありません。
近年Wシリーズという女性がF1を目指すための世界大会が創設されましたが、資金難などの理由で3年でなくなってしまいました。

そこでJuju選手を全面的にサポートする父親の野田英樹氏は、自らチームを結成し参加できる欧州やアメリカを渡り歩き、娘の出れるレースを求めて奔走していたようです。

その野田氏の活動に対し一部のファンと思しきコメントで、「正統なレーサー育成の手順を踏んでいないのはおかしい」だの、「世界のよく分からないレースで勝ってもそれは実力じゃない」など、なぜか上から目線で批判されています。

しかしそれはおそらく、日本でこれほどの実力を若いときから発揮する女性レーサーが誰もいなかったため育成の方法も道筋も存在しない中、野田氏が大変な努力で道を開拓した証拠であり、それが正しいかどうかはこれから判明すると思います。


今後について


17歳の女性フォーミュラカーレーサーという特殊過ぎる事例のため、Juju選手の比較対象がとても少なく、たぶん誰も彼女の正しい評価ができていないですし、もちろん素人の私にもできません。

好材料としては、まだ十分に成長できる若さ、幼少期からの年齢を超えた活躍、すでに世界で4年戦っているという経験です。

早くからヨーロッパやアメリカで年齢・性別・言語などおそらく相当な差別も目にしたであろう経験は、ぶっつけ本番のSFのテストでも冷静に周回を重ねられた精神力の元となっていると感じます。

あと私が感心するのは、彼女が自分の言葉で明確に話し冷静に自らの状況を判断しながら、さらに年相応の人当たりの良さも持っていることです。
自身の努力とともに親がしっかり教えていることが伺えて、才能と人気(=資金力)が必要なプロレーサーの資質を備えているように見えます。


逆にネガティブな面は、女性は体格や筋肉量で劣るので男性用にできているマシンを扱うのが難しい、マイナーカテゴリの女性アスリートが多額の資金を確保できるか、というところです。

これは選手個人で解決するのがとても難しい部分なので、今回のSFのテストドライブのような貴重な場で実力を示すしかなく、ただそこで速ければ必ず誰かが注目し、運も味方すれば上のカテゴリに引き上げられるでしょう。

モータースポーツは結局速いかどうかが本当にすべてなので、低いカテゴリならそうじゃない部分(コネやカネやビジュアルなど)で乗り切れますが、上位カテゴリは速くなければ関係者やファンが決して認めません。

彼女の夢はF1で、さすがにそれは非常に高い壁ですが、今後どうなるかはまだ誰にも分かりません。
引き続き注目していきたいですね。



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