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マウントおじさん

皆さんの周りにこんなおじさんはいませんか?

見た目、話し方、仕事や立場、家や家族、学歴など、スキあらば自分の優位性を見つけて鬼の首を取ったかのように我が自慢につなげる人です。

だいたい40から50歳くらいを境にしてでしょうか、それより上の世代の男性が明らかにこの病に罹患しやすいように感じます。
症状は、他者を必ず立場の上下で区別し、一度下に見たら延々その点にこだわり続け、逆に優位点が見つけられなければ卑屈にふるまうという奇妙な態度を取ることで知られています。

私は同じ性別で年齢も近いですがそういった病気にはかかっていないので、なにゆえそのような人格が形成されたのか考えてみようと思います。


症例1 年配の自営業男性


とある自営業の年配の人は、初めの挨拶で自分と相手の立場の上下を判別するのが習慣となっていて、女性、子供、若くてよく分からない相手には丁寧語すら使いません。
逆に、威圧できなさそうな感じの男相手では、びっくりするくらい急に媚びだしてきます。

ちなみにこのタイプは、その状況になるとたいてい女性の話題を出し始め、それもかなりどうでもいい話で、例えばスマホにある女性の画像を見せて「どんなタイプが好み?」などと聞いてきます。

酒の場とかじゃなくほぼ初対面だったので最初は驚きましたが、いままで何回か同じような状況になったことがあるので、そういう時は「今マウント取るの失敗したんだね」と心の中でツッコむようにしています。

そしてそういった人は、たちの悪いことにいったん下だと判断したら力の限り舐めてかかるのが通例で、私も知らない間にその彼の舐めていい人リストに入っていたらしく、どう思ってもその人の勝手ですが、それが分かって以降彼とは距離を置いて関わらないようにしています。


症例2 地元へ帰った社会人


別のもう少し若い人は最近地元に帰り念願の家を建てたのですが、社会人の大半を都会で過ごしていたはずなのに昭和的な上下関係にとにかく敏感で、しかもバレないように若い人にパワハラを繰り返すタイプの人です。

また今どき珍しいくらい分かりやすい価値観を持っていて、輸入車、ハイブランドの時計、注文住宅、クレジットカードのグレードといった象徴にとてもこだわり、常に自分がそういったものを所有できるレベルにいることを確認しないと気が済まないようです。

で、話しているといつの間にかぼやきが始まり、その内容は「なんでこんな時計や車に俺はカネを浪費してしまったんだろう」というもので、これまた分かりやすすぎる自虐風自慢をかましてきます。

ただ私は、彼がいくら見栄を張ってもその車がオプションなしのベースグレードで、ハウスメーカーは廉価で有名な○○建設のブランドで、家がある場所も、とある地方に向かう沿線の安価な土地であることを知っています。


他にもある共通点


私はそういったマウントおじさんを複数知っていて、立場の上下にこだわり、必要以上に見栄を張り、下に厳しく当たるという共通点がありますが、それ以外にもひとつ大きな問題を発見しました。

それは、なぜか家庭がうまく行かないという点です。
マウントおじさんのストレスによって夫婦生活と子育てに疲れた奥さんが心身を壊していくということなのでしょうか?

それにより奥さんが難しい状態になってしまい、子供たちに良くない影響を与えてしまうこともあるようです。
私の中では、マウントおじさん+深刻な状況の奥さん+壊れかけた家庭、というのはこの病気の典型的な症例として認識しています。


なぜそういった人になる?


若い頃は違ったのにだんだんマウントおじさん化してきた人を分析すれば、なぜそういった人が生まれるか理由が分かるかもしれません。

ある男性は、若い頃とある仕事の現場に弟子入りして苦労しましたが、腕を磨いて独り立ちしました。
すると持ち前の熱心さや素質で頭角を現し、現在はその仕事で十分に活躍しています。

しかしそれとともにマウントの傾向が強まったようで、家庭と奥さんとの関係についてはよい噂を聞きません。

ちなみにその人もほぼ初対面の際に私に女性の好みを聞いてきました。
(そういう社交のテンプレが世間には存在するんでしょうか?)


想像ですが、彼らの心の中に強く存在する負けたくない気持ちや他人をうらやむ気持ちが彼らを仕事等の成功に駆り立て、その結果社会的な優位性を獲得しますが、その強すぎる執念が平和な結婚生活や子育てには向かないんだと思います。

極論を言えば彼らは「自分さえ勝てれば周囲はどうでもいい、なぜなら自分より弱いから」と考えているように見えますが、賢明な彼らはその思考の危うさにも気づいているはずで、それでもやめられないのがこの病気の本当の深刻さを表しています。

ということで、マウントおじさんは死ぬまで治らなさそうなので、そういった人からできるだけ距離を置くというのが最も良い対処法だと思います。



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