見出し画像

小中学校の作文の宿題は本当に難しい

8月末、都内はそろそろ小中学生の夏休みが終わろうとしていますが、いつも親の頭を悩ませるのが、子供の宿題が終わっていないこと。

特に作文や感想文は得意な子なら一瞬で終わりますが、苦手な場合は最後の最後まで残ってしまい、毎回毎回「早く」と言うのも疲れます。

かくいう私も、小学生までは感想文や作文が大の苦手で、夏休みの最後の日まで悩んでいました。
しかし、あるきっかけでそれまでが嘘のように大きく変わりました。

小中学生のお子さんで同じような状況の方がいたら、今回の文章を読んで、役に立つかは分かりませんが参考にしていただければありがたいです。


苦手だった理由が今なら分かる


私は多くの小中学生と同じように、作文や感想文が苦手でした。
その理由は今思うと2つあります。

ひとつは、単に長い文章を書く技術がなかったことです。
長い文章を読むことは普通にできましたが、書く際のパターンが何も身に付いていなかったので、書き出し方もわからない、構成も考えられない、締め方もわからないという状態でした。

昔の小学校ではそういった作文の技術的な指導はなかったので、お手本の真似をするという発想もなく、ただ思いついた単発の文章を並べるだけでは文字数を埋めることができませんでした。

もうひとつは、作文は正解を書かなければいけないと思っていたことです。
宿題は普通、出題に対して正解を出す作業なので、特に感想文は作者が考えていることを正確に読み取って書く作業だと思い込んでいました。

そのため、こういう文章ばかり書いていました。

「この本には『○○○○○○○』と書いてあり、私もそう思いました
「この本には『○○○○○○○』と書いてありますが、私はそうではなく、××と思いました

あまりにもひどい文章すぎて笑いがこみ上げてきます。
起承転結もなく、引用ばかりで、「~と思いました」の連続という、書く自分もつらかったですが、読む先生もきっとつらかったと思います。


作文に対する意識の変化


そんな私でしたが、中学2年のときに突然作文が苦にならなくなり、あの苦しんでいた時間はいったい何だったんだろうと思う変化がありました。

その時のことをはっきりと覚えています。
「作文って、自分の感じたことをただ正直に書けばいいのであって、それが正しいか気にする必要はないんだ」
たったそれだけです。

確か、課題の本を読まずに提出日前日になってしまい、面倒なので本のタイトルとあらすじ、最初の数ページだけ読んでごまかそうとしたのが逆によかったと記憶しています。

本の印象だけで自分の屁理屈的な考えを延々書き連ねて提出したら、なぜか非常によい評価をもらえました。
その日から作文や感想文は自分にとって楽勝の宿題になり、それ以来悩んだことはありません。


子供の成長に沿った課題設定


私はそうやってたまたま作文や感想文という難関を乗り越えましたが、苦手な子供すべてが同じように乗り超えられるとは思いません。

なぜなら、作文を書けるだけの思考の成長がなければ、作文の形をいくら教えても書けるようにはならないからです。

自分の考えを持ち、文章を考え、他人に伝わるように表現することは、女子なら小学生の早い時期に出来る子もいますが、男子は明らかに遅く、中学生までかかる子がいてもおかしくないです。

例外はありますが、性別による差や成長速度の差が大きい小学生の時期に、子供に一律丸投げで作文を書かせるのはあまり意味がないと思います。

① 与えられた課題や作品を理解する
② 考えたことを頭の中で整理する
③ それを文章にして他人に伝える

文章力というものが上記の3つに分けられるとして、いきなり③まで求めるのが現在の作文課題だと思います。

そうではなく、②のような「考え」を引き出し整理してあげる課題が先にあるといいと思います。
表現力は後から必ずついてくるので、まず考えたことをどんな形もいいから出す訓練をして、それを整形していく作業を次にするのが自然ではないでしょうか。

親なら子供が何かを伝えたくて困っていたら、そのつたない表現の中から考えていることを汲み取って対応し、そのあとに「そういうときはこうすればいい」と正しい表現方法をフィードバックしてあげます。

すると子供は、例えば不満があっても怒ったりする必要はなく「これこれはこういう理由で好きじゃない」と説明すればいいと理解し、そうできるようになります。

小学校でそういった丁寧な教え方を実践するには、先生が今よりかなり多くの手間をかける必要がありますが、きっと多くの子供が悩んでいることなので、少しでも変えられたら素晴らしいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?