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結婚は目的ではなく状態

コロナで人同士の出会いが制限された影響で、婚姻数が大幅に減っています。2021年は50.1万組と最低レベルまで下がりました。

しかしコロナよりはるか前の2000年(平成12)過ぎから、結婚する人の数は明らかに減少へ向かっていました。

結婚の件数が減っているという記事を改めて探したところ、下記のような課題があることが分かります。

経済的な余裕がない、出会いがない、恋愛結婚は難しい、お見合いがなくなった、価値観の多様化、そもそもなぜ結婚が必要なのか、今の日本の制度や法律がおかしい、などなど・・・

確かにその通りですし、特に経済面は深刻な問題ではないかと思います。
上記以外にも多くの問題があるでしょう。

しかし私は、社会問題ではなく個人のレベルでこの問題を考えたとき、少し違う印象を受けました。

それは、
そもそも結婚ってなんだっけ?そんな難しいことだっけ?
という気持ちです。


私がだいぶ前に結婚した時のことを思い出すと、熟慮の末ではなく間違いなく勢いのほうが大きかった。

単に若くてあまり深く考えていなかっただけですが、先のことを見据えて計画的になんて余裕は一切なく、ただ「今のタイミングな気がする」というだけで実行に踏み切ったことを覚えています。


成功の評価を他者に依存する怖さ


私と違って、理想の相手と結婚して幸せを得たい、家庭を持ちたい、安心を得たい、異性とつき合いたい、性欲を満たしたい、安全な生活や財産を作りたい、自慢したい。
そのようなさまざまな目的を持って行動している人は多いと思います。

逆に言うと、そういった目的を達成できなければそれまでの過程は無駄になる、とも考えられます。

・志望校に受からなければ、受験勉強は無駄
・希望する会社に入れなければ、学歴と就職活動は無駄
・好きな相手とつき合えなければ、リスクを冒して告白するのは無駄
・理想の生活が実現できなければ、恋愛して結婚するのは無駄

この考えは、皆さんも同意できる部分が多いのではないかと思います。
とても合目的的な生き方と言えるかもしれません。

さらに、そんな失敗をするくらいなら初めからやらないほうがいいと考える人もいるでしょう。
勝てる見込みがないなら撤退したほうがいいのは確かです。


でも、その考え方は長い目で見ると自分を苦しめると思います。

客観的な指標の達成が自分の目標の達成とイコールであると考える。
それはつまり、自分の努力に対する評価を自分以外の外部に委ねているのと同じなので、ごく一部の成功者以外、自分の満足行く結果を得ることはできません。

短期的な目標ならともかく、自分の将来というかなり不確定で思わぬ方向に進む可能性が十分にあるものにその考え方を当てはめてしまうのは無理があると思います。

自分の評価を他者に依存している限り、いくらがんばっても自分が思うような評価が得られず満足できない恐れがあります。それは悲しいですよね。

ではどうしたらいいんでしょうか・・・?


未来ではなく現在に目を向ける


結婚は何かの「目的」ではなく、それ自体が楽しくて達成感を得られる「状態」と考える、というのはどうでしょう。

このような考え方で、未来はともかく、まずは現在の自分と相手を見ればいいのではと考えます。
誰でもそこから始まるのではないでしょうか。

未来の何かの目的のために現在を利用するというやり方は、それが過ぎると、まだ来ない未来のために現在を犠牲にしてしまいます。
目指す未来が実現できないなら何もしないほうがいいというのも、未来のために現在を犠牲にしているという意味では同じです。

結婚だけでなく、勉強、仕事などについても、自分が思い込んでいるだけの幻想の「成長」「達成」に取りつかれていないか冷静に振り返り、現在の状態を楽しむことを意識できればいいのかなと思います。


結婚によって、何かを得られるかもしれないし、得られないかも知れない。
でも結婚という状態でいること自体に価値がある。

そのような考え方であれば、結婚に限らず、うまく行くかどうかは分からないけれどやってみよう、という行動につながりやすくなるかもしれません。



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