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恋愛しない人の深層心理

2023年の調査で、20代男性のうち交際経験がない人は46%に及ぶというデータがありました。
コロナで接触が禁じられた影響が大きいと思いますが、それにしても多い印象で、ちなみに女性も約3割となっています。

こちらの記事だと、20代男性の交際経験なしは何と7割で、ちょっと多すぎるので質問の仕方が違う気がしますが、いずれにせよ高いです。

以前恋愛に関するデータを調べたとき、恋愛に積極的な人は3割くらいしかいないという話があり、残り7割の人がどうするかでこの比率が決まると思いますが、それがコロナなどで非常に影響を受けたということでしょうか。

そしてその理由としてさまざまな意見が交わされていますが、「したいけどできない」「もうあきらめている」「めんどくさい」「むしろ楽」という意見が多い印象を受け、そこから「恐怖」と「嫌悪」というキーワードが思い浮かびました。


ではなぜ恋愛が「恐怖」と「嫌悪」になってしまうのか?

もちろん振られたり嫌われるのは怖いし、相手に合わせて我慢するのは面倒だし、世間の同調圧力に負けるのも嫌だし、相手からSNS等で非難され拡散されたりしたら恥ずかしくて生きていけませんよね。

でもそれは実は表層的なことであって、そう感じる、そうならざるを得ないもっと根本的な理由があるはずです。
今回はそういったそもそも論を一度考えてみたいと思います。


人類の進化の歴史から考える


人類は進化する過程で、動物のように本能と反射で生きる状態から、頭で考え意思疎通を行うほうが有利と学習しました。
そして人は理性的な考えや行動によって本能を制御するようになり、長い間自然任せだった不安定な生活から脱却できました。

そのため、現代人は「理性的であるほど進化した証拠」と捉えています。

・弱肉強食の世界から助け合う社会へ
・暴力による支配からルールのある社会へ
・本能で生きる集団から計画的な生活を送る社会へ

これらを今疑う人はいないと思いますが、この常識が恋愛・性行為・妊娠といった本能的な行動とはとても相性が悪いと感じます。


どんなにきれいごとを言っても異性に対する本能的なひとめぼれはありますし、そのきっかけのほとんどはルックスの魅力です。
また性欲も基本誰にでもあり、本能的で反射的な行動そのものです。

良くも悪くも、昔はそういった行為は誰にでも起こり得るものとしてある程度黙認されてきました。
しかしそうやって見過ごされてきた恋愛や性欲に関する逸脱も、今はコンプラという名のもとに許されなくなっています。


現代人の原罪


賢い現代人がそういった本能的な衝動をうまく制御しすぎた結果、本能がトリガーとなる恋愛などの行為を「罪」と感じてしまうようになったのではないでしょうか。

好きなものが目に入ったらそれを追いかけて奪い独占する、というストーカー的な行動はもう幼児にしか許されません。
しかしそれすら許さず、子供が夢中になり過ぎないようアンパンマンや流行りのキャラを禁止する母親さえいます。

また大人同士では、性行為の後でも同意がなかったと片方が言い出せばそれは犯罪扱いとなります。
さらに昭和のおじさん的な感性の人がSNSで昔の男女関係はいい加減でよかった的な話をすると、時代錯誤と言われ一瞬で血祭りにあげられます。

そういった状況を見て育った賢い若い人は、当然そのルールに沿った正しい行動をします。
その結果、恋愛などの感情をできるだけ表に出さないという正しい教育方針から逸脱しないよう勝手に自分で抑制してしまうようになります。


ではどうしたらいいか


じゃあ理性を捨てて本能を取り戻そう、昔に帰ろう、なんてことを言ったとしてもそんな簡単な話ではありません。
本能の抑制というルールによって平穏な生活が成り立っている今を考えると、それを解除してしまうのはデメリットが大きすぎます。

結局、それは教育によって変えるしかないのではないでしょうか。
恋愛や性的な感情、または支配欲や独占欲といった心の動きを抑制するだけではなく、ちょうど良い加減を教えることが必要です。


昔は恋愛や異性との付き合い方に関して、ちょっと悪い先輩や友達と一緒に騒ぎながら、大人向けの雑誌や深夜のテレビなどで十分勉強(?)できましたが、今はそういうのが減ってSNSでの表面的な付き合いが増えたため、何も教えてもらえないまま大人になってしまう人が増えた気がします。

もうすでにそういう人が親になり、抑制ばかりを子に教えてしまう再生産が始まっている可能性もあります。

ちょっと自分には想像しづらいですが、学校の科目で恋愛や男女の付き合い方を学ぶ、という日がいつか来ざるを得ないのかもしれません…



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