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2008年から2015年は邦楽の暗黒時代

年末の紅白歌合戦の出場メンバーが発表されました。
元ジャニーズが一掃され大きく様変わりし、韓国と日本のK-POP勢が増加、またアニソン系の音楽も多く、理由はどうあれ大きな変化の年なのは間違いありません。

ちなみにジャニーズは2010年に4組が出場し、2015年にはなんと7組、その後も5~6組が出場し続けていましたが、年間の売上ランキングではジャニーズ系は嵐を除きそこまで上位じゃなかったように思います。

ということで過去の邦楽年間チャートをさかのぼって調べてみたのですが、そこで2008年ごろから2018年くらいまでの異常な状況を確認しました。


[オリコン邦楽年間シングルランキング ベスト3アーティスト]

2008 嵐 嵐 ササンオールスターズ
2009 嵐 嵐 嵐
2010 AKB48 AKB48 嵐
2011 AKB48 AKB48 AKB48
2012 AKB48 AKB48 AKB48
2013 AKB48 AKB48 AKB48
2014 AKB48 AKB48 AKB48
2015 AKB48 AKB48 AKB48
2016 AKB48 AKB48 AKB48
2017 AKB48 AKB48 AKB48
2018 AKB48 AKB48 乃木坂46

…これは、異常な時代としかいいようがありません。

ちなみに嵐やジャニーズ系がこの少し下に常にいて、その後2010年代後半にK-POP勢が上がってきました。

ただ、この表にはありませんが2016年頃からCDではなくダウンロード販売への移行が大きく進み、星野源、king Gnu、米津玄師など握手券商法ではないアーティストが上位に復活するようになりました。


10年近く続いたアイドル系音楽の覇権


2008年と言えばリーマンショックで不況が加速しその後民主党政権へ移行、2011年に東日本大震災、その後安倍政権に変わるという絵に描いたような混乱期の始まりでした。

それと周期を合わせるかのようにアイドル系音楽がCDを売りまくりメディアにもその音楽が常に流れていましたが、私のような音楽好きにとっては、恐ろしい「暗黒時代」だったと断言できます。

2008~2015という8年もの間メディアから流れ続けたこういった音楽に影響され育った子供は現在20代中盤から10代後半ですが、一番感性が鍛えられるはずのその時期にどうしようもない音楽にさらされてしまいとても気の毒だったと思います。

上記の意見には私の個人的な偏見が多分に含まれていますが、かといって、ひどいものをひどくないとは言えないので仕方がありません。
では実際どのようにひどかったのか説明したいと思います。


流行の系譜に並べられない音楽


松田聖子なら松任谷由実、Kinki Kidsなら山下達郎、SMAPなら槇原敬之と、アイドルとその時の流行の音を接続する試みは常に行われてきました。
それにより単に可愛い・カッコいいだけではない音楽として大人も聴けるものに仕上がり、流行文化の一端を担っていたと思います。

ただ、モー娘。まではつんくというアーティストが関わっていましたが、AKBと坂道は(プロデューサー秋元康氏の問題だと思いますが)そういった音楽性が皆無となり、その証拠に各グループのヒット曲でファン以外が思い出せる曲はほとんどありません。

嵐はもう少し一般の歌謡曲に近いですが、SMAP以前の王道なジャニーズ系に比べると音楽的に見るべきものは少ないです。


もう少し詳しく述べるとこんな感じです。

・音圧なし、独自のリズムもベースラインも曲の展開もなし

オーディオ経由で聴く前提がなく、迫力を減らし子供でも聴けるよう工夫された軽い音で、手拍子や声援がしやすい普通のリズム。
転調が激しいと曲の雰囲気の変化について行けなくなるのでそれもなくし、とにかく音楽を聴きなれていない子供への配慮が最優先。

・歌唱力なし、ソロもハーモニーもなし

歌は基本合唱のみで歌唱力は要求されない。
そのためどうしても単調で面白みのない曲になってしまうが、どんな曲でもジャニーズファンはまとめ買いし、AKBは握手券商法で売れてしまうので、質が低いままで許され続けた。


現在への影響


2000年代にジャニーズ系とAKB系に押され本格的なパフォーマンスを目指すアイドルや若いアーティストがいなくなり、それらに代わりK-POP勢が高レベルのパフォーマンスとサウンドで若者の強力な支持を獲得しました。

今やジャニーズは存在しませんし、AKBと坂道系は過去の栄光が忘れられず、素人っぽい女性を集めてオタクに媚びるコンセプトのまま未だに同じことを繰り返し、さすがにもう完全に飽きられました。

予想ですが、今後さらに多くのK-POP勢が登場し、対抗馬として似非K-POPな日本人グループも出現し盛り上がりますが、所詮外国文化の一時的な流行に過ぎずそのうち何事もなかったかのように忘れられます。

そのとき真に実力のあるアーティストだけが残り、その人たちが再び邦楽を盛り上げる存在となってくれることを期待したいですね。



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