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【サラリーマンの私が大事にしている10の事】教養-驚きの世界史①アルゼンチン

 私は過去の歴史から学べるもの、自身に取り込める者は片っ端からインプットしようというスタンスです。
 サラリーマンとして「世界史」は必要なのか、と思われるかもしれません。
 私はグローバル化が広がる中で、様々なバックグラウンドを持つ人との関わり合いが今後より増えていくと感じています。
 その際に相手の方の国の歴史・文化・宗教がどういうものかを知った上でコミュニケーションをとる必要があると強く感じています。
 そのために「驚きの世界史」(尾登雄平さん著)を読み、歴史・文化・宗教を学ぼうと手に取りました。
 ここでは作中で一番印象に残った国の歴史、「アルゼンチン」について記載します。

かつての先進国アルゼンチン

 今のアルゼンチンのイメージは、経済が破綻しているイメージです。
 実際何度もデフォルト(債務不履行)を繰り返している金融危機を迎えています。
 国が債務不履行ってどういうことだ、とも思ってしまいます。

 しかしそんなアルゼンチンも20世紀初頭では、GDP10位以内に入る経済優良国だったそうです。
 首都のブエノスアイレスも活気にあふれ「南米のパリ」と呼ばれていたそうです。
 とても意外でした。南米は元々あまり経済的に裕福なイメージはなく、あってもブラジルの一部の方かなという個人的な印象です。
 あの有名サッカー選手メッシもスペインに渡った要因の一つでもあったのかなと思います(難病の治療費の支払いもままならなかったそうです)

アルゼンチンの経済政策

 アルゼンチンが今のように不安定な国になったのは極端な「自由貿易」と「農業」に依存してきたことが一因にあると著者は指摘しています。

 1800年後半~1900年初期はイギリスに食肉等の農作物を輸出し外資を稼ぎ、それを元に工業品などを輸入するという、「一次産品依存型」の経済が確立しました。
 英国からの需要で肉の輸出からアルゼンチンには富が生まれます。ただしその富は、極端な自由政策主義で政府は経済に介入しないスタンスをとったため、経済弱者は切り捨てられていきます。富は大貿易商等に集中しました。その結果、経済格差が拡大していきました。ここに貧困層からの不満の温床が蓄積されていきます。

アルゼンチン経済の凋落

 アルゼンチンの生産品(主に牛肉)は主に一大買い手だったイギリスに大きく依存していました。特に南アフリカでボーア戦争が勃発し、軍需としてイギリスから肉の需要が急増していました。
 しかし20世紀前半に冷蔵・冷凍産業の改善により食肉の質という点で強い外資の参入が相次ぎました。ここの競争にアルゼンチンは敗れました。
 敗因は、政府が後盾にない自由経済だったため国内資本が全く成長しなかった点です。
 ここに追い打ちをかけるように、イギリスが第一次世界大戦後にブロック経済を導入し、大英帝国経済圏からアルゼンチンが除外されました。
 この結果、アルゼンチン国内での一大産業であった食肉など農産物の売る先がなくなり、一気に不況が加速しました。

 この状況に政府は慌てて日本のような工業化シフトに舵を切ります。
 しかし、技術者の欠如や農村からの反対により失敗に終わります。この結果政権への不信感から政治・経済が混迷を極め軍部が台頭し、現在の状況が形成されていきます。
(経済が破綻している国は、軍部が台頭しファシズムに走り、結果として軍上層部だけが甘い蜜を吸って独裁体制となり失敗する歴史を何度も世界は繰り返していますね)

まとめ 

 アルゼンチンは一時、イギリスに頼り切った単一依存経済で繁栄しました。
 しかし、そこに注力しすぎたため代替がきかなくなり、更にイギリスの方針転換により国内製品(アルゼンチンの場合は食肉)を売る先がなくなり、経済が破綻して軍部が政権を乗っ取り現在の独裁体制となっております。

所感

 アルゼンチンはサッカーが強く有名な稼いでいるサッカー選手も多いですが、国としては独裁で富める者は富み、貧困はより貧困にという格差が進んでいる印象です。
 アルゼンチンの失敗例は、企業ではよくある話かと思っておりましたが、国としてもあるのかという感想です。
 国だけでなく会社としても売る先が1社だけだと契約が切られた場合の代替がなく、倒産するリスクが高くなります。
 個人としてもフリーで仕事をやる場合や株式を購入する場合は複数に持つなど、リスク分散は大切だなと感じました。
 またなぜ貧困な人が多い国は軍が台頭してしまいがちなのか、とても気になりました。

 

 

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