Kenshin

整形外科、接骨院で勤務15年以上の医療従事者になります。医師ではないですが、診断学・治…

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整形外科、接骨院で勤務15年以上の医療従事者になります。医師ではないですが、診断学・治っていく過程を診てきた数だけは負けないと思います。時間だけは費やして経験をしてきました。多くの失敗もしてきましたので、楽しく共有できれば幸いです。

最近の記事

痛風の基礎

痛風 「痛風」という疾患は聞いたことがありますかね? 原因なく足が痛くなったりする疾患です。 一般の方にも認知されている疾患ですが、 尿酸値が高い人が起こる疾患です。 風が当たっても痛いから痛風という名前がついているようです。 症状としては ●赤くなり(発赤) ●熱感 ●疼痛 が外傷なく出現します。 痛風が足で発症した場合は、足を引きずって来院されます。 足以外で発症する場合もあります。 痛風は足でしか起こらないと思っている方も多いのですが、 実は

    • 運動障害 復帰期間ランキング(学生)

      運動復帰 スポーツ選手が怪我をしたときに、 大切なことは ①手術が必要な怪我か ②復帰まではどれくらい要するか 高校3年生までにスポーツ活動は一段落する方が多いので、 スポーツをバリバリやっている選手の1ヶ月は非常に長く感じるでしょう。 また、小学生の頃から大会頻度も多いので、 「大会に参加したいから休みたくない!」は常にニーズとしてあります。 親もあまり休ませない考えの人が多いように感じます。 ということで今回は 「この怪我は長期間の離脱を要する」

      • タンパク質の適正量

        タンパク質の適正量 結論としては トレーニングしていない人は1kgあたり0.86g トレーニングしている人は1.76g 糖質制限や脂質制限、メガビタミンなど栄養に関しては話題に耐えません。 その中でタンパク質の摂取は積極的に言われておりまして、 プロテインなどは飲料はもちろんですが、プロテインバー,ささみプロテインバー など、様々な形で提供されており、 最近では簡単に手に入る食品になりました。 運動していない人でも摂取すると健康的であるのが、 特徴であり、

        • 【緊急事態宣言後に注意!!】スポーツ選手が長期運動休止後に長期離脱の可能性

          コロナ自粛明け コロナにおける影響は様々なところに出ております。 医学的にも影響が大きいですが、社会的にも影響が強く、 スポーツ業界にも多大なる支障を出していることは御存知の通りです。 子供たちも運動が中止に追いやられて、 スポーツ観戦も十分にできず、 大会も予定通りにも進まない。 自殺者数も更に増加していると聞きます。 自殺者数に関しては、 もともと多い問題がありますが、 最近では東京都に関してはコロナ死者数よりも自殺者数が多いです。 早く元の生活に戻

        痛風の基礎

          骨髄浮腫

          骨髄浮腫 コロナ渦で子供たちも運動に制限がかかり、 公園でもあまり遊べない状況が続いております。 大人も密になるのは避ける目的でジムなどの活動も控えている方が多い状況。 で、コロナも少し落ち着いたし運動するか!! と復帰した際に発症しやすいのが骨髄浮腫という疾患です。 簡単にいうと、 骨に負担がかかり、骨が腫れる というのが伝わりやすいかと思います。 評価方法はMRI画像診断になります。 対象者子供から高齢者まで幅広い年齢で発症します。 例① 11歳 

          骨髄浮腫

          Carpal boss(カルパルボス)

          カルパルボスと言われる病態について書いてみます。 これは手の痛みに関わる疾患になります。 治療家の先生方でもあまり御存知でないことが多い疾患です。 頻繁に遭遇しないということ 見逃しやすいこと が原因にあげられます。 一方で経過が悪ければ手術を要する疾患でありまして、 放置しておけば治るというわけではないこともあり、 運動選手なら引退に関わる可能性があります。 ポイント 2,3中手骨の骨棘 使いすぎが原因 根本治療は手術 病態 手の甲が痛くなります。

          Carpal boss(カルパルボス)

          特異的腰痛

          特異的腰痛 腰痛は大きく2種類にわけられます。 要注意の腰痛=特異的腰痛 命に問題なく、後遺症にもならない腰痛=非特異的腰痛 今回は腰痛で注意すべき特徴になります。 腰痛の方は周りにたくさんいますが、 患者でも 「今回の腰痛は内臓から来てるんじゃないかな?」 「いつもの腰痛と違う」 という方も多く「ただの腰痛じゃなければ心配」 という声を多く聞きます。 メディアとかでも「もう少し発見が早ければ何かできたかも。。。」 という映像などがテレビで流れていたり

          特異的腰痛

          オスグッド病

          小学校3年生から中学生までに発症しやすい疾患がオスグッド病です。 聞いたことがある方も多いかと思います。 膝前面の膝蓋骨(皿)の下方に疼痛が発症します。 オスグッド病の情報はネットで調べると山程情報は出てきます。 それほど身近な疾患であり、 困っている子供たち、心配する親も多いです。 特別に怖い疾患ではないのですが、 後遺症になると手術になることもあります。 ということでポイントをまとめました。 1.成長期のみに発症します 2.どんな症状 3.適度な柔軟性は

          オスグッド病

          microgeodick disease 骨の凍傷

          冬限定の疼痛 寒くなってきましたが、この時期に特有の疾患があります。手や足の指に疼痛を生じる疾患の紹介になります。 寒い時期に自転車にバイクに乗る方や、 寒い環境で運動する方に発症します。 また、15歳までの小児に多く見られます。 症状 手指、足指が発赤を出し、腫れを生じます。 疼痛もあり、圧痛も確認できます。 指1本だけなることが多く、 指全体がなることは稀でしょうし、 遭遇したことはありません。 評価方法 所見とエピソードが大切ですが、 MRIで骨内信号で確認するこ

          microgeodick disease 骨の凍傷

          年末年始は肘内障

          年末年始は肘内障が多いです。 肘内障というのは、0歳から6歳くらいまでに多い、 肘関節の亜脱臼です。 気がついたら肘を動かさなくなります。 子供はいきなり泣き出します。 ほっといても動かそうとしません。。。 病態 輪状靭帯という靭帯から橈骨の橈骨頭という部分が逸脱してしまうことで発症します。これが肘内障です。 年末年始に多いのは、実家に孫を連れて帰ったら、 爺ちゃん婆ちゃんが孫の相手をしている時に、 思わず手を引っ張ったりしてしまうからですね。 比較的、簡単に抜けてし

          年末年始は肘内障

          1-2リスフラン靭帯断裂

          足部の外傷は多いですが、見逃すとダメな疾患が数多くあります。 その1つが1-2リスフラン靭帯断裂です。 当時、学校での授業では覚えた記憶はありませんが、臨床では結構な頻度で遭遇します。 発生機序 バイク事故、高所からの落下などで足で思いっきり踏ん張ったとき 夜間のランニング中などで、段差に気づかずに底屈強制してとき などの強い踏み込み、底屈強制で発症することが多いです。 理学所見 足背部の腫れ 荷重困難 圧痛が第1、第2中足骨基部周囲にある 第1、2中足骨を把持して、上下

          1-2リスフラン靭帯断裂

          足の母趾トラブル(成長期)

          成長期に運動による負荷の蓄積で疼痛が出る場合、母趾(親指)に外傷が生じて疼痛が出る場合があります。 母趾特有のものも多く存在するため、知っておくことで、手術適応の見逃しを未然に防ぐことも可能です。 外傷性 ①母趾に物落とした(少し鋭利な物) ②母趾が背屈強制された ①は骨折や打撲が圧倒的に頻度は高いですが、チェックすべきことに母趾の自動運動での背屈(伸展)ができるかどうかということです。 親指の付け根付近に物を落としたら必ず確認してみてください。 母趾が自分の力で背屈で

          足の母趾トラブル(成長期)

          中学サッカー 股関節痛

          14歳 男性 サッカーの練習中にボールを強く蹴った際に、右股関節あたりが「ボキっ」となり疼痛出現。その後はサッカーもできなくなりました。歩行時の痛みも強く、跛行があります。 これは典型的な本疾患の受傷機転になります。 中学生に多いですね。右鼠蹊部のあたりを痛がって受診されますが、症状が強い時は救急車で搬送されてくることもあります。 これはサッカー選手が8割以上を占める疾患であり、 下前腸骨棘剥離骨折と言います。 骨盤についている大腿四頭筋という筋肉の一部である大腿直筋

          中学サッカー 股関節痛

          傷の処置の真実

          興味を持って頂きありがとうございます。 早速、本題ですが、出血するような傷、火傷に対して、消毒は 「100害あって一利なし」 です。 これは、勉強している医療従事者にとっては当たり前になりつつありますが、いまだに消毒しているところもあります。医療機関でも。 私も傷を負った患者さん、指を切った人、自転車に巻き込んだ人、ヤカンのお湯で火傷した子供と色々見てきましたが、「湿潤療法」できれいに治ります。 「湿潤療法」は夏井睦先生が先駆者ですので、ブログなどを拝見していただ

          傷の処置の真実

          膝の痛み(疲労骨折)

          疲労骨折が非常に多いので、パート別にまとめていきます。最近の傾向を見ていると、アスリートの蓄積された疲労骨折と、急な運動負荷による疲労骨折では、分別されそうです。 動作によって各骨へのストレスは変わるでしょうから、予測はしておりましたが、ここまで綺麗に別れると確信に変わります。 今回は現在もっとも多い脛骨(スネ)の近位(膝に近い)の疲労骨折です。 元々はマラソンを始めた人や、職場が変わり階段昇降が増えた人、水泳選手がランニングを始めた場合などに多いのですが、現在はコロナ自粛

          膝の痛み(疲労骨折)

          体の一部が急に痛くなった

          30歳超えると、足が痛い症状になることがあります。手でも起こることもあります。しかも、激烈な痛みで足は跛行(引きずって歩く)、手ならまともに使えない症状が出ます。 まずは、自身の体を確認してください。 ①発赤が出ていないか ②熱を持っていないか ➂ピンポイントで押していたい場所がないか いずれかに該当すれば、 ①痛風発作 ②蜂窩織炎(細菌感染) ➂石灰沈着(カルシウム沈着) に8割は該当します。 関節で生じていれば化膿性関節炎という厄介な可能性があるので、注意が必

          体の一部が急に痛くなった