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声のものさしって知ってる?

ふと仕事の合間にヤフーニュースを見ていると、そこで「ミソフォニア」という言葉が存在することを知った。

僕が見た記事は半年ほど前のものだけど、非常に興味深いことが書かれてあった。

ミソフォニアとは「音嫌悪症」とも呼ばれていて、くしゃみや鼻をすする音、パソコンのタイピング音など、他人が発する特定の音を過度に反応してしまう症状のことだ。音に耐えられずに逃げ出したくなったり、怒って相手を攻撃してしまったりと、攻撃的な衝動を伴うパターンもある。

「音に反応しやすい」という点では聴覚過敏と似たような想像をしてしまいそう(僕もそうだった)。あちらが「すべての音を拾い過ぎて、個々の音を聞き分けられず苦痛を感じる」症状であるのに対し、このミソフォニアは特定の音に対して、嫌悪感と怒りのような過剰な反応を示すという特徴がある。特定の音というのも、人によって様々だ。


僕自身にはミソフォニアだという確証はないけれど、ネットの記事を読んでいて共感する部分がいくつもあった。

僕はとにかく人の声が苦手だ。自分が声を張りづらい体質であることのコンプレックスかもしれないけど、ライブ会場以外の、ガヤガヤした環境に長時間居るのが苦痛でたまらない。

居酒屋に居ると、周りの声に圧迫される感じがして喋る気力がなくなる。会社で仕事をしている時も、会話や電話の声がどうしても耳につき、どんどん集中力が削がれていく。耐えられなくなったら執務室から逃げ出し、トイレの個室に10分以上もこもって気分が落ち着くまで待っている。

電車に乗っている時に、若い大学生らしき集団が乗り込んでくると身構えてしまう。何人もが集まって通りのよいチャラチャラした声を聞かされるのが、とにかくしんどい。鬱陶しいなぁ、としか感じない。

ああいう人種は本当に何なのだろうか。その性格や態度のおかげで人生うまくいっているのかどうか知らないが、そんな様子をわざわざ関係ない他人にまで振りまくな、この野郎。口には出さず、黙って睨みつけながら席を離れる。似たような理由で、子供の泣き声もダメだ。大人げないけど心をえぐられるようなストレスを感じてしまい、その場に居られず隣の車両に移ったりしてしまう。

電車や公園のように、ある程度自由の利く環境なら逃げることも容易である。しかし、喫茶店や銭湯といった、リラックスするための場所でこの集団に出くわすと最悪だ(逃げるにはこちらが退出するしかない)。いや、実際は老若男女関係ない。どの年齢層にも、一定数いるのだ。声量の調節が出来ない人間が。「声のものさし」が分からない人間が。

僕は小学校低学年の時に、この「声のものさし」を教わった記憶があるけれど、ほとんどの大人はこういう考え方を忘れてしまったのだろうか。最近の小学校ではこれを習ったりしないのだろうか。それとも単純に、僕が考えすぎなだけなのか。

こんな風に、外にいるだけで色々余計なストレスを感じてしまうので、外出時は基本的にイヤホンが手放せない。近場への外出で、なおかつ音楽を聴きたい気分ではない時であっても、いつどんな場面に遭遇するか分からないし。

実際、こういう「不快な音」をシャットアウトすることは、ミソフォニアの対処法としても有用とされている。やっぱり嫌なものからは、なるべく逃げたり避けたりする方がいいのだ。下手に正面からぶつかっていっても何もいいことはない。

そもそも僕が子供の時も、公共の場でずいぶんやんちゃしてたものだし、今でも友達と話しているとつい声が大きくなることもある。そういう面では、自分も加害者かもしれないという意識を忘れず、穏便にやっていきましょう。


それにしても、こういう問題に直面する時に、いつも心の中の自分が問いかけてくる。

「やっぱりお前の性格が悪いだけなんじゃね?」


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