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2022年度に観たライブ 後編

2022年度(2022年4月~2023年3月)の特に良かったライブのまとめ、その後編です。前編はこちらから。

昨年度は何といっても、セトリが良かったライブが多かった印象です。元々大好きで聴きたかった曲や、ちょうどその時ハマっていた曲を演ってくれたり。やっぱりライブにおいていちばんの感動といえば好きな曲が聴けることですから、そういう場面にたくさん立ち会えて満足しています。バンドマンの皆さんは超能力でも持っているのでしょうか。

この文章ははてなブログに書いていた日記を基に、細かい部分を修正しながら書いているのですけど、全体的に「あの曲が良かった」的な感想しか書けず、なんか単調になってしまっている感じがしますね…。

もちろんセトリ以外の面でも、強い熱意を受け取って感動した場面があります。今回の文章ではそういった部分も取り上げているつもりです。

2022.12.22
ずっと真夜中でいいのに。
『GAME CENTER TOUR
『テクノプア』』
東京ガーデンシアター

大きな仕事のひとつが片付いた日の夜に、ずとまよのツアーファイナル。今回のコンセプトはゲームセンター。会場内でガチャガチャを回したら筐体型のキーホルダーが当たった。よさみが深い。

ステージは撮影禁止だけど、いつも写真を撮りたくなるくらい素敵なセットだ。ゲームセンターライブということで、曲の途中で「星のカービィ」のBGMなど有名なゲーム音楽を演奏したり、他のライブにはないような楽しい演出が色々あった。

ライブ中はモニターから曲名が出てくることに親切さを感じた。最近ちゃんと新曲を追えていないので助かる。『夏枯れ』は好きな曲調だな。ACAねさんがヴィブラフォンを叩いてた。

今回もちゃんとしゃもじを忘れず持って来ていてよかった。ずとまよライブはこれがないと一体感が無くなるからな。振ったり叩いたりでノリノリ。『脳裏上のクラッカー』はいちばん好きな曲で、やっぱり何回演ってくれても嬉しい。思い出深い曲だ。


アンコールではステージにクリスマスツリーが置かれ、ACAねさんが自転車に乗って登場。かわいい。それから『Dear Mr.F』をしっとり聴く。これがアンコールで来るとは思ってなかった。『残機』、そして『あいつら全員同窓会』で終演した。

最後はうにぐりくん着ぐるみやスタッフの人たちもステージに登場し、大勢でシャイな空騒ぎ。歓声OKということで、僕もダミ声でウオーとか叫んだりした。少しずつコロナ前の盛り上がりが戻って来つつあると感じた瞬間だ。最高の千秋楽だった。

僕の席は前から4番目。ステージからかなり近くてすげえと思ったら、電子チケットを見返すとプレミアム席と書かれてあった。ずっと通常の指定席で当選したものと思っていたのでビビる。


2023.1.29
the pillows
『RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.4』
KT Zepp Yokohama

年明け早々新型コロナに感染してしまい、正月休みが予定外に延長する形となった。奇跡的に症状は軽症であり、タイミングが絶妙だったおかげで、ライブの予定が潰れることはなかった(ついでに仕事にも悪影響はなかった)。

何だかんだで健康に迎えられたthe pillowsのツアーファイナルの日。『ペナルティー・ライフ』と『GOOD DREAMS』、2枚のアルバムを再現するライブだ。ピロウズで横浜といえば、やっぱり横浜アリーナでの30周年記念ライブを思い出す。早めに横浜中華街に来て、パンダまんや北京ダックロール、フカヒレスープなどを食べ歩く。横アリライブの日も、こんな風に中華街で時間を潰していたことを思い出した。


夕方に会場のZeep Yokohamaへ。この再現ツアーに来たのは初日公演以来、2回目の4ヶ月ぶり。再現ライブなのでセトリの曲自体は分かっているものの、その順番は既に半分ほど忘れていた。きっとこれぐらいの方が新鮮味も増して楽しめるだろう。全国各地からバスターズが集まっていて、入場前から多くの知り合いに会った。

チケットの整理番号は特別良くなかったので、前方に拘らずステージが見やすい1階フロアの真ん中辺りに立った。ライブ中はマスクが煩わしくなり、『スーパー トランポリン スクール キッド』の辺りで完全に耳から外した。「もうええやろ」という気分で。なんか変なしがらみがほどけたような感覚だ。マスクを外すと呼吸が快適で、想像の何倍も気持ちよかった。数年前はこれが普通だったんだよな。

この日のハイライトは、アルバム表題曲の『GOOD DREAMS』だ。学生時代は単純に良いなと思って聴いていた曲から、今ではすごく強いメッセージ性を感じる。「ノーカウントのゲームに慣れそうで 疑ったり悟ったフリして」という歌詞がまるで自分の心を見透かされているみたいで、更にそこからサビに入るところで泣きそうになってしまう。

ライブを観ながら気付いたけれど、グッドリのアルバムは思った以上に夢と関連する曲が多いな。元々ピロウズの中でも好きなアルバム上位に入っていて、最近は夢というか妄想に逃げたい気分になっていたのでちょうどよく刺さった。『オレンジ・フォルム・ガーデン』とか。

他には『フロンティアーズ』をどっしり堂々と歌うさわおさんが渋くてカッコよかった。『傷跡の囁き 誰もいないパラダイス』は、ギターが儚げで良い音だったな。


アンコールのあとにさわおさんが感極まっているところをリアルで見て、ここでもいろんな気持ちが込み上がってきた。自分の暗い気持ちを細かく書いていくと本当にキリがないし、多分これからも永遠に消えない。しかしそんなものとは関係なく、お前の本当にやりたいことは何だ?とダイレクトに問いかけてくるような力強さが、昨日のライブには確実にあった。(『GOOD DREAMS』を聴きながら、「自分が出来ることはなんだろう」と考えていた。)

笑いと感動と熱意が詰まった最高のライブだった。途中で何度かフロアが揺れたことに気付いて、ここはとんでもなく熱くて特別な空間なのだと実感した。

終演後はフォロワーさんたちと晩ご飯に着いていく。かなりの大人数が入れる居酒屋があって助かった。3年前の横アリの時は全く知り合いがおらずに終始1人行動だったので、今はこうして人の集まりに居られることが大きな変化だと思っている。終電で帰ろうとしたら横須賀線の遅延によって電車が途中で終わってしまい、極寒のなか3時間近く歩いて家に帰ったのだった…。


2023.2.9
ヨルシカ
『ヨルシカ LIVE 2023「前世」』
日本武道館

ライブの聖地・日本武道館で、ヨルシカのワンマンライブ。僕が武道館に来るのは6年ぶりの2回目、2016年の相対性理論以来だった。先行物販の長い列に並び、グッズを買った。ラバーキーホルダーと、ファンクラブ会員限定でもらえるピック。赤、青、緑と3色揃っていい感じ。

ライブは18時に開場し、指定のスタンド席に座る。武道館は他のライブ会場とは違った空気を感じる。公演中以外は写真撮影OKだったので、しれっと客席側も撮ってみた。貴重な空間だしな。

今回のライブタイトルは「前世」。ヨルシカは2年前に同じタイトルの無観客配信ライブを行なっていたが、その内容は大きく違うものだった。開演するとステージにn-bunaさんが現れ、詩の朗読が始まった。ヨルシカのライブは途中のMCがなく、この朗読で曲間を繋いでいく。

次第に他のバンドメンバーも出てきて、高らかな遠吠えのSEと共に『負け犬にアンコールはいらない』が演奏される。ステージが暗転して戻った瞬間、ボーカルのsuisさんが中央に立っていた。序盤は今まで生で聴いたことのなかった、初期アルバムの曲が続く。特に『靴の花火』が聴けてすごく嬉しかった。ヨルシカの中でも好きな曲で、いつかライブで聴きたいと思っていたのだ。

今日もsuisさんの歌声がとにかく美しい。繊細さと力強さを代わるがわる使い分ける表現力に惹かれる。バックで流れるアニメ調の映像も良く、最後のサビで花火が打ち上がったところで目が潤んでしまった。最初からクライマックスかよ…。


それからも様々な曲が演奏される。『ブレーメン』から『雨とカプチーノ』へと繋がるドラムのプレイは見事だった。

ライブの後半になるとストリングスも加わった編成になったのだけど、途中、詩が終わったところで『思想犯』が始まり衝撃が走った。まさかあのタイミングでこの曲が来ることは予想外だった。原曲には無い、弦楽器やアコーディオンの入ったアレンジにも感動する。

他にも好きな曲が盛りだくさんで、僕のためにセットリストを考えてくれたのか?と勘違いしそうなほどだった。これまでアルバムのコンセプトライブが中心だったので、新旧いろいろ混ざったセトリは大満足だった。


曲間を繋ぐ詩は、今回は小説のような物語調だった。映像も相まって映画を観ているような気分になる。男性が見た夢のことを語るシーンは爽快で、しかし終始どことなく緊張感も帯びていた。終盤の落ちにはハッとさせられたが、曲中も含めていろんなところに伏線はあったのだ。

そして最後の『春泥棒』の曲やMVに、この物語の全てが詰まっていたことを知って震えた。最後にリアルで花吹雪が舞う演出を見て、うわーこれはアリーナ席で観たかったな〜としみじみ思ったり。


ヨルシカはいつもただのライブとは思わせない独特な世界観を出しているけれど、今回はセトリやステージセット、物語、演出、どれも細部まで作り込まれていて最高だった。音楽ライブ、演劇、映画など、たくさんの要素が盛り込まれている。これは特別なひとつの芸術作品だ。


2023.3.1
the pillows
『The Grand Year Of Top Beat』
荻窪 TOP BEAT CLUB

ピロウズのライブからもう1本。仕事の帰りに、普段滅多に行かない荻窪駅へ。TOP BEAT CLUBという新しく出来たライブハウスでピロウズを聴く。FC先行もない一度きりの抽選で当選したのは、流石に豪運過ぎたか。

レアなライブだし、久しぶりにフロア後方ではなく前の方で観たいという気持ちになった。それでも整理番号はぼちぼちだったので真ん中辺りの位置に立ったのだけど、ライブが始まったら皆グイーと前に動いてかなりステージの近くまで来られた。

今日はとにかく楽しい曲ばかりで、これまた貴重なセットリストだった。1曲目『BAD DREAMS』は度肝を抜かれたな。この前のツアーファイナルで「二度とやらないかもしれない」と言ってた曲がいきなり来るとは。他にも『ノンフィクション』を生で初めて聴くことが出来た。曲の途中でMCが入るとは思わなくて笑った。

あとは最近『Kim deal』をよく聴いていて、ライブで聴けたらなーとぼんやり思っていたら本当に演ってくれた。他には洋服ブランド・インディアン東京店のために作られた新曲『Have You Ever Seen The Chief』が聴けたり、『Stroll and roll』も想定外な選曲で良かった。


終始盛り上がる曲が続いて、休む暇がなかった。疲れを知らず腕を上げたりもみくちゃしたり頭を振ったり。ライブってこういうものだったよな、ということを思い出せた。後半は体力が限界でフラフラだったので、不意に周りの人とぶつかってしまったかもしれない。申し訳ない…。

たくさんはしゃいでたくさん笑って、楽しい時間だった。ライブの後に何人かフォロワーさんに会ったのだけど、息が切れ喉も完全に潰れてまともに喋れなかった。見苦しいところをお見せしてしまったかも。ない喉を振り絞ると大抵こうなります。

夢中になって憂鬱もかなり吹き飛んだ。帰宅してからしっかり湯船に浸かる。ライブでお腹いっぱいになったので、この日の晩ご飯はメロンパン1個だった。


2022年度のハイライトはこんな感じでした。何度も言ってしまいますが、本当に良いライブが多かったので、今年も改めてまとめてみたいと思った所存です。

この1年間ライブを楽しみまくった影響で、今年の4月に入ってから、何となく気分の落ち込みや虚無感が強くなっている気がします(仕事が急に忙しくなったのも大きな原因です)。行きたいツアーに何度も落選したりして、「好きなだけライブを楽しめることはもう出来ないのか」などと考えてしまったり。

まぁ全くライブに行っていない訳ではなく、ゴールデンウィークもいい思い出が出来たので、流石に色々諦めるのはまだ早いようです。来年も同じようなまとめ記事が書けるかどうかは分かりませんが、しんどい社会をどうにかして生き延びるためにも、やりたいと思ったことをちゃんとやれる余力ぐらいは残しておきたいですね。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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