Public Dairy vol.5「キープゴーインメーン」

田舎に住んでいると、道路の真ん中に蛇やらネズミやらモグラの死体がペランペランに伸びて落ちていることが多い。雨の日の次の朝はカエルの墓場になる。

自転車で急な坂道をブレーキかけずに降りていくと風が気持ちよくて目を閉じて見たりすると、車輪の前に迫る死体に気がつかないから、気づいた時にはすでに車輪のはるか後ろに流れていたということはざらにある。
仮に死んだ後のものだったとしても車輪で潰していくのは気分が悪い。

毎回潰していくたびに後ろに流れていった死体を、スピードを出したまま振り向いて、意味がないとわかっていても確認する。

あぁさっきのはネズミだった、モグラだったとか、ヤマカガシだった、という具合に。

私は生きていないものが怖い。
頭皮から切り離された髪の毛とか、死に行く野良犬とか。
祖父や祖母の葬式で、献花の時こみ上げる吐き気を飲み込むのに必死で苦痛だった。
生きているヒヨコは抱けるのに、死んだヒヨコはさわれない。

パッケージに包まれた鶏肉は怖くないんだから変だなぁと思う。
無菌状態で真っ白な部屋でレールの上で殺されたものなら怖くないのかもしれない。

非論理的で筋が通っていないけど、そう言うことがまかり通るのが人間社会で、是とされるなら、矛盾ばかりの狂った人間に「キープゴーインメーン」と言ってピースしたくなってしまう。

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