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就職活動の思い出

8月20日は、就活生だった僕が今の職場から採用内定いただき、就職活動を終えた日です。今まで特別気にしたことはありませんでしたが、「そういえば今日は……」と、ふと当日の出来事を思い出しましたので、noteに書き留めておきたいと思います。本当は20日のうちにアップしたかったのですが、書きたいことが次々と湧き、間に合いませんでした。計画的に下書きしておけばよかった。

こちらの記事でも少し触れていますが、当時は明けても暮れても届く"お祈りメール"に肩を落としていたことを覚えています。エントリーシートを送った企業は、ゆうに50社を超えました。感覚的に、面接までたどり着けたのは半分、一次面接を突破できたのは更にその半分、最終面接まで進めた企業はごく僅かといったところです。

自己分析、企業研究等々、あまり良い思い出はありません。改めて自分で自分の価値を言葉で説明するのって難しいですよね。今でさえ客観的に判断できる気がしません。そんな状態なので、数多くの企業から「君は不要」と散々な評価を下されたのも納得です。思えば「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」的な発想で、ろくに勉強もせず有名企業を中心に就活していたのが採用担当の方にも伝わっていたのかもしれません。

両親には申し訳ないですが、いっそのこと留年して、もう一度最初から仕切り直したいと思ったことすらあります。どうすれば5年生時の学費を捻出できるか、真剣に考えていました。夏場になり次年度の採用活動を締め切る企業が増えてくるにつれ「来年度また頑張るか……」という半ば諦めの気持ちが大きくなっていたことも事実です。

今だから言えることなのですが、友人からの「内定先が決まった」という報告に心から「おめでとう」とお祝いすることはできませんでした。同じように学生生活を過ごしていたはずの友人たちに先を越され、日に日に焦りは募ります。自分の進路が決まっていない、留年するかもしれないような不安定な状態で、友人の内定を喜べるだけの心の余裕はありませんでした。一方で、仲良くしていた友人の成功すら喜べなくなっている、自分の度量の狭さが嫌になりました。

そんななか、駄目元で応募した職場の筆記試験に合格します。慌てて今後の採用フローごとの対策について、サークルの同期に教えを乞いました。一次面接、グループ討論、論文試験をパスし、最終面接までたどり着きました。「ここまでまぐれが続くか」と驚きもありましたが、「また最終面接でお祈りされるパターンだろう」とあまり期待せず、最終面接はこれまでで一番気楽に、脱力し、素のままの自分で臨みました。

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そして迎えた8月20日。平日の午前中だったでしょうか。少しも期待せずに通知を確認したときは、一瞬、何かの間違いかと思いました。ただ何度見てもそこには「採用」の文字が。ちょうどお盆の時期に合わせて実家に帰省していたところだったので、すぐさま両親、祖父母に報告しました。親戚含め僕の進路を大変心配していたので、皆がとても喜んでくれました。

その日の夜は祖母がすき焼きを用意してくれました。興奮冷めやらぬなか、祖父の運転で近所のスーパーへ行き、祖母と一緒にすき焼き肉とお酒を沢山買い込みました。家族皆からお祝いされながら食べたすき焼きは、どんな高級店で食べるものより美味しかったです。誇張抜きに、その日を境に世界の見え方が一変したように感じました。もう就活のことは考えなくても良いんだと思うだけで、心が軽くなりました。

下宿先へ戻り、ようやく友達にも報告することができました。フランス留学に行く友人のための送別会の場で、主役でないにも関わらずサプライズで僕のためにもメッセージプレートをいただいたのは、気恥ずかしくもありましたが、とても嬉しかったです。

僕が就活を経て得た教訓はただひとつ、"駄目元でも、挑戦しないと始まらない"ということです。当時、まさか自分が今の職場で働いているとは思いもよりませんでした。自分には到底及ばないかもしれなくとも、何か行動を起こせば、未来は大きく変わる可能性を秘めているということを実感しました。友人や後輩から、進路の相談を受ける機会もあるのですが、その際には必ずこのことを伝えるようにしています。挑戦したうえで不本意な結果に終わったとしても、きっと何か得るものはあるはずだからと。

就職してからというものの、採用前には想像もつかなかったような業務を担当することもありました。「どうして自分がこんなに大変な仕事をしなければならないのか」と嫌になることも正直少なくありません。ですが、辛くなった時には就活の時のやるせなさを思い出すようにしています。就職活動という先の見えない不安を抱えながら日々を過ごすことに比べれば…、と思えば不思議と前向きになれる気がするのです。これからも、しんどくなった時にはこの経験が心の拠り所となることだと思います。

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