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弁理士として、今話題の高校「情報I」を読みました

こんにちは、40代弁理士の石川です。今日は、息子の協力で、令和7年(2025年)の大学入学共通テストでも課される「情報I」の教科書を入手しましたので、弁理士としてコメントしたいと思います。

「情報I」は、我々旧世代の人間には未知の教科です。インターネットネイティブの世代の子供達に対する情報教育のための科目なのですから。どんな教育を受けるのか、とても気になるのは私だけではないはずです。

私が特に気になったのは、学習内容に知的財産権の内容が含まれるということでした。さっそく確認してみました。当方は、実教出版の高校情報I Pythonに基づいてコメントします。

1.知的財産権はどのように扱われるか?

冒頭の第1章「情報社会」の中で扱われています。特許権、実用新案権、意匠権、商標権を含む産業財産権について、2ページで扱われていました。著作権については比較的に厚めに、4ページをさいて説明されていました。

なるほど、今後、この世代の子たちがコンテンツなどを創り、情報を発信していく際に、自己の著作に係る著作物を守り、且つ、他人の著作権を侵害しないように、との配慮から、冒頭に法規の説明を置いたものと推察します。

産業財産権の2ページというのは、少し寂しいですが、扱いがあっただけマシということでしょうか。当然、産業財産権を扱う弁理士について触れられることもありませんでした。特許情報プラットフォームについて触れられているのは、意外ですが、画期的なことであると思いました。

2.それ以外の章について

第2章情報デザイン、第3章デジタル、第4章ネットワーク、第5章問題解決、第6章プログラミング、と続いていきます。

第2章情報デザインは、インターネット、SNS、プレゼンテーション、Webページなどについて説明がされています。

第3章デジタルでは、コンピューターの仕組みについて詳しく解説されています。私が、6、7年前に社会人向けの工学系の大学(夜間)で受けた講義と同程度のレベルの内容の一部が含まれており、驚きました。レベル高いなあという印象です。

第4章ネットワークでは、インターネットの仕組みについて詳しく説明されています。VPNやブロックチェーンについても簡単ですが説明がありました。これを高校一年生が学ぶのかと思うと、改めてレベル高いなあという印象を持ちました。

第5章問題解決は、ずばりExcel等のソフトウェアを利用した統計処理です。回帰分析、相関係数、最小二乗法についても触れられています。ここまで高度であると、高校生が消化しきれるのか、ちょっと不安になってきました。数学の統計と相補的にやっていくのでしょうか。

3.第6章プログラミングについて

第6章では、プログラミングの前提となるフローチャートの書き方などから始まり、徐々に具体的なプログラミングに入っていきます。授業では、生徒にプログラミングをさせるのでしょうか。週1、2回の授業でここまでできるのか、少し不安になってきました。教える側の先生も大変かと思いました。

4.まとめ

「情報I」の教科書は、すばらしい出来の内容で、大人が情報分野の学びなおしをするのにも最適な教材であると思いました。資料集として、手元に置きたいくらいです。

ただ、情報を盛り込みすぎと言われているのは本当で、高校1年生が限られた時間内で消化できるのか、不安になりました。

でも、消化するのが目的ではないのかもしれません。キーワードとして知っていることが重要で、必要になれば、後で自分で調べて勉強すればいいのですから。

来年の選択科目「情報II」についても、手に入れば見てみたいなと思いました。

興味のある方は、高校「情報I」の教科書をぜひ手に取ってみてください。すごーい!の一言です。

弁理士の石川真一のフェイスブック
facebook.com/benrishiishikawa

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