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言葉で人の心を動かす

今から1ヶ月ぐらい前。
本当に最近の話。

自分のnoteのおすすめ欄に「花村りの」という人のnoteが表示された。
普段あまりおすすめ欄とかは見ないのだが、その日はなんとなくその記事をクリックした。
それが全ての始まりだった。

その当時、僕は彼女の事を全く知らなかった。
でもすぐに彼女の事が大好きになった。
なぜならnoteに書かれていた彼女の文章がとても素敵で、胸に突き刺さるものがあったから。

りのさんは名古屋でアイドルをやっていた。
noteには、アイドル活動を通しての悩みや葛藤、嬉しかった事や、ファンへの想いなんかが赤裸々に綴られていた。

自分のnoteのスキ欄を遡って見てみたら、りのさんのnoteにスキを押した初めての記事がこれだった。
だから多分、一番最初にこの記事を読んで彼女の存在を知ったんだと思う。

現役アイドルが書く等身大の言葉の数々が、とても興味深かった。
そして彼女は文才もあったので、読み物としてもとても面白かった。
僕はすぐにりのさんのnoteをフォローして、全ての記事を読んだ。
スキボタンもいっぱい押したから、通知がたくさん行ってしまってうるさかったかもだけど「このnoteを読んで感銘を受けました。あなたの文章が好きです。」という想いを伝えたくて、スキボタンを押し続けた。
本当にいい文章を読ませてもらったから、少ない金額だけどnoteのサポート機能を使って投げ銭も送った。
なぜなら、お金を払ってでも読みたくなる文章だったから。

りのさんのnoteは二本立てで、長文パターンと短文パターンがあった。
長文パターンは先程リンクを貼ったような形の文章で、短文パターンは下の記事のような感じ。

まるで曲の歌詞のように美しくて、毎回うっとりする。
胸にグッとくるフレーズを並べるのが本当に上手で、noteを読み終わった後に、言葉選びのセンスや文章の構成能力の高さに毎回驚かされる。

りのさんの文章がどんどん好きになり、彼女が書いた文章を全て読みたくなって、ツイッターとインスタもフォローした。
noteと同様に、毎回素敵な文章が書かれていた。
彼女の文章を読むのが、いつの間にか僕の日常生活の楽しみの一つになっていた。

そんな彼女は「私たちはアイドルである!」という3人組のアイドルグループに所属していた。
通称は「わたアイ」で、名古屋のライブシーンで活動しているそうだ。
そして彼女は6月4日に、わたアイから卒業する事もSNSを読み進めていくうちに知った。

これだけ彼女の文章に胸を打たれたから、一度ライブを生で見たかったけど、距離の問題があった。
僕は東京に住んでいて、彼女は名古屋で活動している。
アイドルが好きでよくライブを見に行っているが、いわゆる遠征というものを今まで一度もした事がなかった。
だから名古屋まで行ってライブを見るという発想が、最初は僕の中には全く無かった。

でも、彼女の日々更新されるnoteを読み続けているうちに「こんなに素敵な文章を毎回読ませてもらってるし、noteの感想を直接言いたいし、今会いに行かなかったら一生会えないし、いつか人生振り返った時に後悔するよな」と思い、わたアイのスケジュールを調べて、5月20日に名古屋へ行く事にした。
それぐらい、りのさんの書く文章に僕の心が動かされていた。

5月20日。
会場はY-CITY HALL。
わたアイのライブが始まり、花村りのがステージに登場した。
いつもnoteを読んで「この人の文章好きだな」と思っていた憧れの人が目の前にいる。
言葉にならないぐらいの感動があった。
りのさんは文章の才能だけでなく、アイドルとしての才能もある人だった。
ダンスがすごくきれいで美しかったし、なにより笑顔がかわいかったし「いいアイドルさんだな」って、彼女のライブパフォーマンスを見て率直に思った。
わたアイのライブ、本当に楽しかった。
もっともっと長い時間見ていたかった。
それぐらい素敵なグループだった。

ライブが終わり特典会の時間。
僕は、りのさんの元へ向かった。
ツーショットチェキを撮った後に、お話しさせていただいた。
noteの感想や、りのさんの文章がとても好きだという事を伝えた。
りのさんが喜んでくれたので、とても嬉しかった。
りのさんは優しい雰囲気に溢れていて、すごくいい人だった。
こうやって会うのは、多分最初で最後だと思うけど、直接本人の目の前で「りのさんの文章が好きです」と言えたのが自分の中で大きかったし、その言葉でりのさんが喜んでくれたから、会いに行って本当に良かったなって思った。



りのさんが書いたnoteの中で特に好きな記事がある。
それは「出逢いへの拘り」というタイトルのこの記事。

りのさんを母親が身籠った時、実は祖母がものすごく産む事に反対していたらしい。
しかし祖父が「産みたいなら産みなさい」と言ってくれたおかげで、りのさんはこの世に生まれてきたそうだ。
そんな話を聞いてから、りのさんは出逢いにとてもこだわるようになったと言っている。
noteの中で、次のような文章を書いていたのがとても印象に残っている。

すぐそばにいる人も、
出会うことが当たり前な事なんてなくて
自分が生まれた事、そして自分が選択してきた道
そこが重なり合って出逢えた人。

今回自分もいろんな偶然が重なって、りのさんと出逢えた。
りのさんがnoteをやっていてくれたおかげで、りのさんのnoteが僕のnoteのおすすめ欄に表示されたおかげで、りのさんがアイドルをやっていてくれたおかげで、今回僕はりのさんに逢いに行けた。
この中のどれか一つでも欠けていたり、タイミングがずれていたら、僕とりのさんは一生出逢わなかったと思う。
今回りのさんに出逢えたのは当たり前の事なんかじゃなくて、いろんな偶然が重なって、一瞬だけだけど二人の人生が交差して、こうやって出逢えたのだから、すごい事だよなって思った。

そして僕がりのさんに会いたいと思った一番の動機は、りのさんの文章がとにかく僕の心に刺さったから。
その感想を直接本人に伝えたかったから。
今回のnoteのタイトルを「言葉で人の心を動かす」にしたのは、まさにこの事。
東京から名古屋まで、時間とお金をかけてでも「この人に会いに行きたい」と思わせる魅力が、りのさんのnoteには詰まっていた。

そんな事を思いながらこのnoteを書いていたら、りのさんのnoteがさっき更新されていた。
そしてそのnoteの中に、次のような一文があった。

昨日はこのnoteで私のことを知った方が
はじめて名古屋まで出向いて私に会いにきてくれたり

noteの中で触れてくれて嬉しかったな。
もう会えないのに、また会いたくなっちゃったな。


花村りのが書いた言葉の数々に、僕は心を動かされた。
アイドルを卒業したらnoteの更新があるのかは分からないけど、もしもあるのならこれからも僕は彼女の言葉で心を動かされ続けるだろう。
それぐらい彼女の文章が好きだ。

もう会えないのは寂しいけれど、あなたのnoteに、僕からの「スキ」の通知が飛んでいったら、遠く離れた東京から、あなたの文章に僕の心が動いていると思ってくれたら嬉しいな。
その「スキ」の通知は、あなたの文章に、僕の心が動いたという紛れもない証拠だから。

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