ニック・レーン『ミトコンドリアが進化を決めた』https://www.nanshin-lib.jp/WebOpac/webopac/searchdetail.do

高校で生物を勉強しなかった人はぜひ読みましょう
前半においてはミトコンドリアが行う生化学についてと、真核細胞誕生のなぞについて。後半においては真核細胞がミトコンドリアを持っているから起こるのではないかとされる真核細胞の大型化、食作用、複雑な内膜系、有性生殖、多細胞化などについて。これらだけでは特定の話かと思うかもしれないが、実にいろいろな概念を知ることができる。少しだけ書いておこう。地球の生物を大きく分けると細菌、古細菌、真核生物だが、では生物の誕生や進化のビデオテープを何度も再生したとして、真核生物は毎回登場しうるのだろうか。10回に一回か、1000回に一回か、もっと確率は低いのか。このテーマだけであっても生物全般に対する知識が必要になり、とてもたくさんの知識と提唱されている説を知ることができる。ミトコンドリアについて軽く書くと、ミトコンドリアは呼吸をつかさどる器官で、呼吸とは酸化還元反応(電子のやり取り)で得たエネルギーで陽子(プロトン)を膜の外へと汲み出して内側とのph差と電位差を作り出し、さらに還流する陽子の力によってATP(アデノシン三リン酸)を作り出すことです。エネルギーというものはそのままでは保存がきかないが、呼吸によって生み出されたエネルギーはATPの形で保存されエネルギー通貨となって真核細胞内で様々に使われる。ぜひ読み通してみよう。

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