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「髪色を変えたら人生が変わる」というけれど

髪を染めた。とてつもなく明るい色に。

ブリーチをして派手な色にしたのは学生ぶりで、なんだかワクワクした。

髪を染めた理由は簡単。何かを変えたかったから。
髪を染めることで何かを変えられると思ったから。

実際はどうだろう。
髪色は変わった。気分も多少変わったと思う。
でも変わったのは髪色と気分だけで、それ以外に何かが変わるわけではなかった。

環境も、モチベーションも、療養期間という名のだらけきった生活も何も変わらない。
でも、それはわかっていたことだった。
「髪色を変えたら人生変わるよ」とか聞くこともあったけど、結局のところ髪色を変えただけじゃ人生が変わるどころか、見える世界が違って見えることもない。

そんなことわかっていたけど、少しの望みをかけて美容院に行った。

何かきっかけが欲しかった。
気持ちの切り替えができるきっかけが。

仕事を辞めてから、当たり前だけど将来に対する不安がずっと押し寄せてきて常に何かに見張られている気がする。

「辞めた後どうするのか考えているのか?」
「仕事を辞めて何がしたいの?」
「十分に生活していけるほどのお金はあるの?」
「今後どうなっていきたいの?」

実際に言われた言葉たちだ。
きっとこの言葉をかけてくれた人たちはわたしを心配して声をかけてくれたのだと思う。
でも、私には責められているようにしか聞こえなかった。
それが悲しかった。
善意で声をかけてくれていることはわかるのに、素直に受け止められない自分を責めた。


ずっと部屋に引きこもっていたらマイナスな気分のまま抜け出せないと思って、まずは変わるきっかけを作りに髪を染めに行ったわけだが、、、どうだろう。
せめて「プラス思考になりますように」という願いを込めてとびきり明るい色を選んだつもりだったが、、、ちょっと恥ずかしい。

桜の開花を待たずに染めたピンク色はどの街にもなじまず浮いている。気がする。
学生時代にも派手髪はそれなりにやってきたつもりだったが、あの時とは年齢も状況も変わっているからか、なんだか街を堂々と歩けない。
「あれ、なんか、、、こんなんだっけなあ」


学生の時は正直怖いものなんてなかった。
何を言われても、
「いやでも、私いま髪の毛オレンジ色だしなあ」とか思っていた。無敵だった。
そんな無敵だった学生時代は終わった。

時は流れて今、スーツという名の戦闘服を纏った社会人。でも、実は学生に比べて断然戦闘力が低い。
社会人の間は、スーツさえ着ていれば無敵だと思っていたけど、辞めてみれば案外無敵だと思っていたスーツがヒラヒラの布切れだったことに気づく。
気を張ってただけだったんだなあ。

わたし何言ってんだろう。笑
とにかくまとめると、年齢を顧みない髪色に挑戦してはいるけど恥ずかしくてあんまり堂々と街歩けないよっていう報告と、髪色を変えたところで人生は変わらないけど、学生の時みたいになんとか無敵になりたい!というお話でした。以上。

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