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ひねくれ偏食家の、読書挑戦録

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「流行っているものは読まない」と意地をはってきた、ひねくれ者(偏食もち)が、本を読み、世界を広げて行く過程の記録もろもろ。 他にも、読書や本に関するエッセイ・コラムを集めています
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2020年5月の記事一覧

徒然日記~日記エッセイについて

 好きな本のジャンルの一つに、日記エッセイがある。
 特に好きなのが、幻冬舎文庫から出ている小川糸さんのエッセイ。
 読んでいて暖かいからだ。
 せかせかした日常を送りがちな中で、ほっこりと優しい灯りを点してくれる。
「ちょっと一休みしてごらんよ」
 と暖かいスープの入ったカップを差し出されるかのよう。
 疲れて、何も考えたくない(考えられない)、なにもやる気が起きないなあ、という時に、彼女の日記

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徒然日記~美味しい小説

 図書館が昨日から開館。
 私の出勤は今日からなのだが、やはりというか疲れた。
 こういう時は、何か暖かくて美味しい物が欲しいな、と思う。
 何と言おうか、手作り感がある、そう、お弁当。

 せめて想像の中でも感じたい、味わいたい・・・そんな思いから、帰宅後、『弁当屋さんのおもてなし』シリーズの一巻目を読み始めた。
 短編連作という形式がちょうど良いし、何よりこのような食べ物系の小説は、美味しそう

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徒然読書日記~『暗幕のゲルニカ』

 原田マハさんの『暗幕のゲルニカ』を昨日から読み始めた。

 〈ゲルニカ〉が制作されたきっかけとなった、スペイン北部の町、ゲルニカの爆撃。

 そして、21世紀、9.11をきっかけに始まった、「報復」としてのアフガン戦争と、さらにイラク戦争・・・。

 どちらにおいても、犠牲になったのは、市民たちだ。

 〈ゲルニカ〉のモノクロームの画面を思い起こすと、画面全体から悲鳴や轟音が聞こえてきそうな気が

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