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【詩】 色

水面は黒く煌めく

空は灰に薄い

月は青に尊い


地は赤に光り

片目は橙に点滅し

涙は藍色に染まる


息切れ交じりに登った山頂は、金の山か

それとも

見下げて黒い風の渦


街中で突然はじまる

騒がしいサーカスに

眩しい!静まれ! と誰かが言う


「貴方はなんで生きてるの?」

「虹色に輝くためさ」


虹色に縋って生きた少年が

虹色がないと知ったなら

なにを糧に生きていく?


「私は何色なのだろう」

名のない色を持った少女は

色の名がほしいと縋りつく

姿は在るにもかかわらず


どこから生まれ落ちたのか

分からぬものも姿は見える

名がない色も素直に光る


自分を自分たらしめるもの、
保つもの、縋るものには

色がない、ゆれる無色透明

もしくは

名のない、まざりあった色の影



  美しいとはなんだろう?


            美しさとはなんだろう。






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