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お伊勢さんと私

来たる7月、ふたたび伊勢の地を訪れることになった。

昨年12月、今年5月に続き、直近では3度目のお伊勢参り。
ここ数年でご縁をいただき、私にとって大切な場所となっている。

初めて伊勢の地を訪れたのは3年前。
今日はそのときのことを綴ってみよう。


2019年、平成最後の日。
私は名古屋でコンテンポラリーダンスのワークショップに参加していた。

かつて私は東京を拠点に大手の広告代理店で働いていた。

毎日続く深夜残業や業務のプレッシャーにより、入社3年目で軽度のうつになってしまい、2ヶ月休職。

休職後は復職して1年半ほど働いたが、仕事以外では閉じこもることが多くなり、ずっと真っ暗闇のトンネルにいるような気がして、心がずーーんとしていて、早く人生が終わることをいつも願っていた。

そんな中、転職すれば何か変わるのではないかと小さな希望を見出して、マイペースに働ける&ミッションに共感できる会社に転職。

結果、たしかに仕事にやりがいは感じるようになったけれど、私生活や心の内側は大きく変化せず...。

現状を打破したい気持ちはあるけれど、どうしていいかわからない...。


そんな私がゆっくりと動き出す兆しが見え始めたのが、このワークショップに参加する少し前のことだった。

久しぶりに読みたくなって開いた吉本ばななさんの本で、何かの気づきを得たわたしは、"自分の内側と対話する"ということを試みた。

初めてのことでよくわからないながらに、自分の内側に問いかけ、耳を傾けていたら、「GWに伊勢神宮に行こう!」というひらめきがやってきたのだ。

同時にフラダンスもしたいかも?と思い始め、「伊勢神宮+フラダンス」という(今思えば謎の組み合わせな)検索キーワードに導かれて、不思議なご縁で参加することになったのが、このワークショップだった。


そして、翌日。
令和元年初日、同じ舞踏家の先生の元、伊勢神宮でのご奉納舞に参加。

*ちなみに、私は小さい頃あそびで踊るのは好きだったけれどダンス経験ゼロ。神社仏閣には全く興味なく、奉納舞ってなんですか?ばななさんは好きだけどスピリチュアルとか"?"だし、星占いすら信じません、という人間でした。

思えば休職してから、久しぶりに自らの純粋な衝動で行動した出来事だった。

ダンス経験ゼロのわたしが、出会ったばかりの誰かと一緒に踊ることは、それはそれは怖かったけれど、その怖さを乗り越えて踊ってみると、ものすごく楽しかった。

心もカラダも喜んでいるのがわかって、「あー、楽しいってこういう感じだったなあ」と思い出すことができた。

翌日からの伊勢神宮参拝やご奉納舞も人生初めてのことだらけで、とても刺激的で、東京に帰る頃には随分と違った自分になっていた。

そして、その年はなんのお導きなのか、あれよあれよという間に先生の舞台公演に出ることになり、月1で東京-名古屋を行き来して稽古、舞台前はみっちり合宿。

自分でもびっくり仰天、メモラブルな日々となった。


「感じて動く!!」

稽古中、先生に何度この言葉を叫ばれただろう。

頭でわかろうとするのではなく、心とからだで感じて、共鳴して動きなさい、と。

戸惑いながらも踊り続けて、なんとなくこういうことかな、と体感するようになった頃には、舞台公演も終わり。しばらくもぬけの殻になったのでした。

ものすごく久しぶりに、もしかすると生まれて初めて、身体の底(魂なのかな)から、わくわくというか、なんだかエネルギーが湧き上がるような経験をした。

そして、真っ暗闇のトンネルに入って4年、やっとトンネルを抜け、その中で装備してきたいろんなものを手放すことができた。

そんなきっかけをくれた伊勢という地。


この2019年の訪問以来、昨年末、久しぶりに友人たちと訪れたのだった。

その時は、それを皮切りにまさか半年と少しあまりで3度も訪れることなるとは思ってもみなかったけれど。
私、何かやり残していることでもあるのでしょうか、かみさま?

7月の伊勢は、ひとりで。

自分を深く見つめ、受け入れる。
そんな旅となる予感。


愛と感謝を込めて。

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