未練という呪い

未練とは
諦めきれないこと
諦めきれない気持ちを引き摺ること

へー

諦めきれない、か
何を？
何を諦めきれないの？
好きだった人
本当に？

本当にその人が諦めきれないの？

よく考えて


本当にその人自身が諦めきれない？

その人が発した言葉や接してくれた態度によって
自分が感じた幸せや喜びの気持ち
自分が楽しかったと感じたその気持ち

毎日好きだと言われて気分が良かったよね
幸せだなって思ったよね

抱きしめられて甘い言葉を囁かれて
べたべたに甘やかされて
心地良かったよね

忘れられないのはその時の感覚
その時の空気


誰でも良いわけじゃない

そんなの当たり前
この人良いな
もしかして…
っていうドキドキの駆け引きだって踏まえてからの
それだから

好みのタイプに出会う
好きになれる相手に出会う
その確率は高くない
だからこそ
そうやって出会って良い気持ちにさせてもらった
その感覚が
いつまでもいつまでも居座り続けて
未練になる

女の未練って
世の中のネタにあげられがちだけど

女が本当に見切りをつけた時って
完全に終わってる時だから

相手に対して情も何も湧かないし
何をしていようとも
どうなっていようとも
全く興味がないしどうでもいい
感情がミリも動かない


表面上それなりの対応をするかもしれない
笑顔でおしゃべりだってするかもしれない
けど
全てがお愛想
どんなこと言ったとか忘れるし
早く話終われって脳内で別のこと考えてる

周囲との関係を円滑にしようという
雌の本能に基づく反応
それだけ

未練という
自分の気持ちの整理がついた時
未練を長く抱えてしまった分だけ
晴れやかで良い気分になる
それはきっとその人を好きだった時以上に

何でそんなに囚われていたんだろうって
ふと我に返る

恋の呪いが解ける