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[感想]【劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン】

ー手紙による、言葉に込めた特別な力についてー

何度、観ても心温まり、感動を与えてくれる素晴らしい映画作品というものが稀にあります。

タイトルに記しましたが、わたしにとって感銘を受けた作品、それは『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という作品です。

テレビアニメシリーズでも有名で、ご存知の方もいらっしゃるのではないかと思いますが、これまで観てきた映画作品の中でも胸を打たれた作品というのは、本作品以外思い浮かばない程、私にとっては特別な作品でありました。

本作のヴァイオレットという少女は、戦場に駆り出され武器として扱われていましたが、戦争が終焉を向かえてから、彼女は自動手記人形という人の想いを代筆して手紙として届ける仕事に就くことになります。

辛い過去の戦争体験から、人の想いを汲み取った文章を書くことは、彼女にとっては難しい事であり、彼女自身にとっては大きな壁でもありました。

ですが、ヴァイオレットは様々な人との出会いの中で自動手記人形として少しずつ成長していきます。

本作は、テレビアニメシリーズ、そして『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 ー永遠と自動手記人形ー』に続く物語となっています。

『劇場版ー』では、ヴァイオレット自身のこれまで生きてきた人生の中で、学んだ自分の将来をヴァイオレット自身が歩んでいき、ギルベルトとの物語を結ぶ、とても重要な物語である事が言えます。

ギルベルトが最後に残した「‘‘愛してる"」という言葉をヴァイオレット自らがその答えを模索する上では、映画の中で色々と考えさせられました。

ヴァイオレットが自動手記人形として書く手紙に込める、言葉の力、ギルベルトが彼女に伝えた、言葉の力には特別なものが秘められていると痛感させられました。

想いを言語化して、手紙として相手に伝える事というのは、一長一短な面もあるのではないかと考えられます。

確かに、代筆として自分の想いを文章にして相手がその想いを全て汲み取れるとは限りません。

ですが、本作を通して、手紙というものは想いを伝え心に響かせるだけの強い力が秘められている事を学ばさせて頂きました。

ヴァイオレットが記した手紙は、これまでに出会ってきた人たちを幸せにするだけの素晴らしい言葉の力が込められています。

それは、物語を通して彼女が色んな人たちとの出会いの中で多くの想いに触れてきたからこそだと考えられます。

ヴァイオレットがギルベルトから受け取った「‘‘愛してる"」の言葉の本当の意味を知る事で、彼女の人生はより輝かしく、成長していくことになり、私たちはヴァイオレットがこれまで歩んできた人生を見つめる事で、言葉の持つ素晴らしさというものを改めて認識させられるのではないかと感じました。


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