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私は誰かに殺されたかった『死の擬似体験』@レポ

ふとした会話に出てくる「死にたい」という言葉
聞き慣れてはいけない言葉のはずが毎日のように流れてくる。
「死にたい」そう思ったことはあっても実際には自死する勇気もない。

「死ぬならどうやって死ぬ?」

そんな問いかけに私は

「私は殺されたりしてニュースに出て、誰かの記憶に残りたいんだよね。」

そう答たえると「中々刺されることってないよ、だから死ねないね!笑」と返された。


シタイラボとの出会い

今回は初めて死の擬似体験をしてきました。

そんな体験ができる
逆転変身専門店「シタイラボ」とは

さようなら、この世
「死にたい」「人生を見つめ直したい」
そう思った時に【死】と【死体】の
疑似体験ができる場所、それがシタイラボです。
誰にでも必ず訪れる死
命の重さが曖昧な生き辛いこの時代で、
死生観を問う新しい体験を提供します。

シタイラボ公式

昨年にまぼろし博覧会(公式サイトに行った際に
「人間ラブドール名鑑」として様々な写真が展示されていました。
そこに「シタイラボ」というパネルがあり、直感で絶対に行きたいと思って記録のための記録をした。

自分で見る用の撮り方

「死」に対する話題は何となくタブーな気がして、ネガティブな気持ちを持たれたくないのもあり、行きたい事もこの施設がある事も一緒に行った人たちに伝えずに自分の中に閉まった。

1人だといつでも行けるからこそ、つい日程を決める事を先延ばししてしまう。そんな中で誰かに死ぬ姿を見届けてもらい、一緒に死んだ感想を共有したくなり誘いたいと思う友達が浮かんだ。
いきなり連絡して「死体になりませんか?」とは言えないし、この人とはこれがやりたい。って思う事が割とよくあるのでフォロワーさんに向けて「リプくれたら一緒に何したいか答えるよ」という今後遊びに誘ってもいい人の炙り出しみたいな事をしてみた。

声かけたかった友達からもありがたい事にリプが来たので「一緒に死体になろ!」と声をかけた。

>>いきなり連絡して「死体になりませんか?」とは言えないし
散々ネガティブな話題だと思っていたのに早々に矛盾が起きてるけどワンクッションあるから許して欲しい🙇
こういう時の私って断られる想定をしていないから衝動的にサイトのURLをDMで送った。
すると「やりましょう」との返事をもらえて、そこから日程などを調整し、シタイラボを知ってから6ヶ月念願の死の擬似体験をしてきた。

※以下、切傷や流血の写真があるため耐性のない方はお気を付けください。
※自死を推奨する内容ではありません。


体験したのは現場検証プラン

約1ヶ月前に予約をして、メールで誓約書と要望書フォームが届く。
場所は大阪府東大阪市という情報だけ。
3日前に住所の連絡が来てようやく所在地を知る事ができる。

腹部を刺されるため(笑)

事前準備を済ませて、大阪に前入りしてアフタヌーンティーを楽しみ、西成で飲み、気になっていたバーを巡った。その時の観光やらの出来事はまた別の機会に書くかも知れない。
ゆっくり話せるバーで最期の死に方を伝えて、いろいろと協力してもらった

死体になる当日の朝
いつも通りの朝を迎え普段通りのメイクをした。
その時のBGMは「深海少女」「乙女解剖」にした。
今回の死ぬ前に聞きたい曲だった。

実際には死ぬわけじゃないのに死に近いを体験をすることを考えると少しだけ緊張した。バンジージャンプをした時と似ている感覚だった。

少し早く着いて散歩をして公園に行った。

ちょうど桜が満開だった

「これが最期に見る景色か」なんて思いながらブランコに乗って「晴れててよかった」「これから私たち死ぬんだね〜」って会話をした。

時間が来たので指示された場所に行き、
インターホンを押して合言葉を伝えて入室した。


上書きしたい過去と死ぬ理由

スタッフのお姉さんに出迎えられて中に案内された。
私が最初に死体になるのでリクライニングのイスに腰をかけ死に方の再確認が行われた。
改めて理想だった
「ナイフで首と腹部を刺されて死にたい」と伝えた。

なんでその死に方にするのかを問われた。

独白の時間だ。

死ぬ時代や世界も好きなように設定ができる。
私は今(現在)に設定した。

私は好きな人、もしくは交際している人がいて今が一番人生を楽しんでいる時。
楽しい時に楽しいと思ったまま死にたい、楽しいがなくなって辛くなるのが嫌だから。

死んだら何も残らない。

私は人に忘れられてしまうのが悲しいから、ニュースになっていろんな人に見られて「こんな人がいたんだ」「可哀想な事件だったね」と思ってもらいたい、最期に何者かになりたかったのかも知れない。

"楽しい時"に事故や事件で突然死ぬことがずっと私の理想だった。

だから、刺される直前は好きな人と連絡を取っている時、人と繋がってる時って私にとって楽しかったり嬉しいことでその最中に死にたい。

小道具としてスマホを使用した。
服装も普段着で「いつもの私」で死にたかった。

今回の死因は「腹部と首を刺されたこと」
(『今回の死因』って初めて使った言葉で笑える。)

「殺される為の理由は何ですか?犯人はどんな人?」

「今もバーで働いてるんですけど、前に働いてた所のお客さんに逆恨みされて死にたいです。」

「ではお友達に犯人役になってもらいましょう!」
明るく言われたので何も考えず「お願いします」と答えた気がする。

「では、その理由で死ぬのは何故ですか?」

私「学生時代に初めてキャバクラで働いた時、高いお金を払ってるのに、人見知りで、話も出来なくて、金額に見合った接客や時間を提供できてる自信がなくて…。
そんな私を指名してくれる人たちもいたんですけど、それが嬉しい反面申し訳なさも感じてたんですよね。自分に自信がなかったんです。
その時の時間は取り戻せないから、殺してもらうことで償いたいなって、、働いてたのかなり前なのに今でもずっと引っかかってたんですよね。」
と、淡々と思いを伝えた。

返ってきた言葉は

「優しい人なんですね」

……そう言われた瞬間に泣きそうになってしまった。

優しいと言われることがあっても、自分がされたら嫌なことをしないだけで、”当たり前”のことをしただけだから、当たり前を「優しい」と言われるのが苦手だった。

でもこの時に言われた「優しい」はずっと心に背負っていた心苦しさから解放してもらえる私が欲しかった言葉だったのかも知れない。

「実際に刺されそうになったらちゃんと抵抗してくださいね!!!」って言われてちょっと笑った。

「今の仕事は楽しいですか?」

「楽しいですね。今は自分が楽しいからお客さんにも楽しさが伝わってればいいなと思いながら働けてます。」

私は死に方を通して
ずっと抱えていた罪悪感を初めて人に話した

自分のことを知らない相手だからこそ話しやすさがある。

一緒に行った友達に死に方は伝えてあったけど、もっとライトに死体体験をすると思っていたけど、ふいに経緯まで聞かせる事になってしまって重くなっちゃったね。

「遺体はどれくらい経ってから見つけて欲しいですか?」

「それも選べるんですか!?自分が汚されるの好きじゃないのですぐ見つけて欲しいですね」

「じゃあフレッシュな死体ですね〜」

フレッシュな死体!?w
言葉選びがうますぎるのと初めて聞く言葉で思わず笑っちゃった

「刺した本人が自首するとかどうですか?」
「それでお願いします」
「時間が経ってから見つかると血色悪くしたりとか変わってくるので」
なるほど、ちゃんと死後の時間でメイクも変えてくれるのかーと。

説明や提案をしてもらいながら進めてくれるので本当に理想の死を作ってくれるので嬉しい。死についてだけでなく、傷メイクよりも老け顔メイクなどの難しさだったり、他の人の死に方の経験談を聞かせてもらったりした。

話している間に傷が完成して早々に

「いやぁ、、、これは助からないですね」と、言われた。

友達は作業工程を撮ってくれているけど私はどんな姿になったか見えていない。

「え、私って助からないんですか?」
「これは致命傷ですね」

(うわー、致命傷か。実際にこんな傷出来たら死んじゃうんだ…)

準備が一通り終わり、ようやくイスから立ち上がり死体になる。


いっぺん、死んでみる?


2024年4月7日深夜
私は買い物帰り、好きな人に呼び出されて買い物を頼まれた。連絡を取り合いながら会えるのを楽しみにしている最中の出来事。

横になって首から血糊がかけられる。

初めての経験で、どろっとした感覚、最初はぬるいのに服に染み込んでだんだんと冷えていくので本当に血が流れている錯覚に陥る。

これは致命傷…

刺される為に裂かれたシャツ、そこに施された特殊メイク、そして血が流れる…

これは完全に死体だ。

完成した状態で撮影を進めて行く。

友達がナイフを持っている。
いや、友達じゃない。
私を殺した犯人だ。

好きな人に自分が刺された事より、出会ってくれた事に感謝を伝えようとした

最期に感謝を伝えられなかった

刺されたのに犯人を恨むより、スマホを見続けて死んだ。撮影が終わると黙祷が行われブルーシートをかけられて10分間放置される。

ブルーシートをかけられた時に友達と二人きりになった。

無言で死体に徹してもよかったかも知れないけど何となく不安だったのかも知れない。
私は全身覆われたブルーシート越しに会話をした。

私「どうしよう、死んじゃった。」
友達「死んじゃいましたね〜」
私「えーん、痛いよー」

友達「……なんか悲しくなってきた」

私「じゃあなんで殺したんですか…?」

友達「…www」


笑うまでにちょっと間があって、表情が見えないやり取りは不安な気持ちになった。

その後、現場検証にお姉さん2人が駆けつけて
「えー、どっちが顔見る?」「刺されて死んだんでしょー、嫌だなぁ」と言われながら検証が進んでいく。

買い物して好きな人に会いにいくと連絡までしている最中の死
犯人は勢いで殺してしまったからすぐに通報(自首)
刺し傷を見て致命傷と判断される
目が開いて死んでいたので、そっと目を閉じられた。

スマホ画面を覗かれて
「好きぴ?好きな人に会う途中でこんな事になっちゃったんだ」「うわぁ本当だ。可哀想にね…」と言われた。無関心じゃなく「可哀想」という感情が嬉しい。

死因は「歪恋死」だった。

【死者蘇生してみた】

耳元で(カチンッ)と撮影で使われるカチンコで死体の体験に終わりを告げられた。

生き返ったのか新しい自分になったのか、そんな事を思いながらシャワー室に案内してもらい、着ていた洋服を全て捨てた。

身体の血糊は見て落とせるけど、髪の毛についた血糊は頭を流しても血糊が流れ続けてちょっとだけ血が流れることの不安を覚えた。

私は過去に手術もした事ないし、大量の血を流すような大怪我もした事がない。
血糊をかけてもらう時、ぬるっとした感覚は本当に不思議な感覚だった。

シャワー室から戻ると何もなかったかのような最初に来た時と同じ光景になっていた。


死の擬似体験をして私は「今までの私」を殺したかったのかも知れない。
実際に死ぬ時は理想みたいに死ねないだろうけど、理想の死に方ができるのは嬉しい事だった。擬似体験の満足度がすごい。

あと、女性の方が残酷な死に方を希望する人が多いらしい。

これを読んでる人はどんな死に方をしたいんだろう。考えたことある人ってどれくらいいるのかな。


”死にたい”と思うのは今を生きてるから。

死ぬ勇気がないから生きてる。
どうせ人はいつか死ぬんだから
好きなこと好きなようにやってればいい。
辛い事があるかも知れないけど
死ななければ何とかなる。
好きな事してその時が来たら考える。

私は葬式に行く機会が多く友達が自死したり、親戚が亡くなったりすることで『亡くなった事に対する悲しさより、いつか悲しいという感情に慣れるんじゃないか』と、葬式に行くたび怖くなっている。

今回、私が体験したあとに友達の死体体験で私は第一発見者になった。正直その時も自分がどんな感情になるのか不安になっていた。
時間がある時にその時の出来事もかけたらいいなと思います。

↓こちらは友達視点


死なないと思っていた人も何が起きるかわからない。
だからこそ仲良くしてくれる人を大事にしたいし、出来る限り私は人と関わっていたいと改めて思えました。

最後に「なんのために 生まれてなにをして 生きるのか」死生観について考えさせられる曲を貼ります。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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