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アメリカでのジェンダーダイバーシティとそれを取り巻く環境について

こんにちは、ニューヨーク在住女優、筒井あづみです。今回は私が生活の中で経験したアメリカのジェンダーダイバーシティ事情についてお伝えします。

まず、前回の記事の中でお伝えしましたが、私はLiquidGoldConceptという母乳に関連する問題のコンサルタントを育てる会社に雇われています。その会社で私たちアクターは母乳に関する悩みを持つ患者の役を演じているのですが、この会社はトランスジェンダーのアクターも雇っています。母乳に関する悩みを持っているからと言って患者さんはすべて身も心も生まれつき女性とは限りません。それゆえ、多様性のある社会を反映すべく、様々なジェンダーのアクターが求められます。

さらには母乳をあげる人が、自分がmother(つまり女性)であると認識しているとは限らないので、parentという言葉を使うようにしたり、人によってはbreasts(乳房)という表現よりchest(胸部)を好む場合もある、というように様々な表現に気を使っています。

この会社以外でも最近はZoomで会議をする際に自分の名前の後ろにshe/her/hersなどと代名詞をつけて表示することがあります。これはなにかというと、自分が他の人から3人称でどういうふうに呼ばれたいかということを示しています。見た目は男性でも心は女性なのでsheで言及してください、という人も少なからずいます。

さらに自分はsheでもheでもないという人はthey/them/theirsという3人称を選んだりします。これは私たちは中学英語で複数形の表現だと習いましたが、この文脈においては複数形ではなく、女性でも男性でもない一人の人を指す単数形扱いになります。

様々なアイデンティティの人を積極的に包括しようとする動きは日本よりアメリカの方が明らかに進んでいると感じます。アメリカでは採用面接で年齢を聞くのは違法ですし、人種差別につながるおそれがあるため、履歴書には顔写真をつけません。日本でありとあらゆるところで年齢を記入することを求められたり、とてもカジュアルに年齢を聞かれたりするのには面喰います。

以上、アメリカでのダイバーシティについてお伝えしました!


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