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宮司さん

1、神職の袴

神社にお詣りすると袴をはいた”神職(しんしょく)”をよく見かけると思います。

一般的によく知られているのは”浅葱(あさぎ)”という青緑のような色をした袴をはいた姿です。これは階級を表していて、四級、三級の神職がはく袴です(神社の職掌によって取り扱いが異なる場合があります)。

参拝者と神社お寺でつくるお参りの記録共有サイト”ホトカミ”さんの説明がわかりやすかったのでリンクを貼りました。詳しく知りたい方にオススメです。

2、神職資格を取得できる四年制大学

そもそも、神職になるためには國學院大學神道文化学部神道文化学科皇學館大学文学部神道学科神職資格課程を履修して所定の単位と実習を修了すると卒業と同時に、神社本庁の神職資格である正階(所定期間に実習を済ませると明階に昇階)又は明階を授けられます。

3、神職の階位

上位から浄階(じょうかい)明階(めいかい)正階(せいかい)権正階(ごんせいかい)直階(ちょっかい)

4、神職の階級

上位から特級 → 一級 → 二級上(にきゅうじょう) → 二級 → 三級 → 四級

5、神社の職掌

上位から宮司(ぐうじ)禰宜(ねぎ)権禰宜(ごんねぎ)出仕(しゅっし)

※これは基本的な中規模程度までの神社の職掌で、大規模の神社では特殊な職掌が存在します。

この他にも、2年制養成機関が特定の神社(神宮熱田神宮出雲大社)などに設置されていたり、各都道府県にある神社庁では一ヵ月間で神職資格を取得する神職養成講習会を開催しているところもあります。

6、奉職

今回のご紹介は、大学に特化しますが、國學院、皇學館では神職課程を履修して卒業しても、必ず神職になる人ばかりではありません。実は、一般企業へ就職する方も多いのです。

神社に勤めることを”奉職”(ほうしょく)といいます。

一般企業に就職するかたは「就活」、神社に奉職する方は概ね「奉活」といったことをやらなければなりません。

奉職活動をする方は、神社・神道学に関する事務を取り扱う部課があるため、そこで相談をして求人票によって奉職先を選定していきます。もちろん、一般企業と同じように面接や試験もあります。

それ以外の奉職ルートとしては、一般企業でもやっているインターンのようなことからそのまま奉職ということもよくあります。

例えば、國學院大學では、在学中に首都圏内等の神社からアルバイトの求人があり、学生はそこでアルバイトすることも多いのです。特に年末年始や七五三の時期は多くの求人があるため、神社の方と顔なじみになって、うちにどう?という話もあるかもしれません。

そして、もう一つは”社家”(しゃけ)の人たちです。社家とは代々の神職家のこと。つまり、将来は自分の実家の神社を継がなければならない人たちのことです。

当然ですが、國學院や皇學館の神道を学ぶ学科には神職子弟と呼ばれる社家の人たちが多く通っています。今では一般から神職になりたい方や”神道””宗教”を研究したい一般の方も多く、特に國學院大學は文学部から独立した”神道文化学部”で神道学・宗教学を学べます。神道や宗教を研究する上では、民俗学、考古学なども必要になってくるため、神道考古学という講座が設けられていたり、幅広い視野の学問を学ぶことが可能です。

このような大学や養成機関で学んだ青年神職は各都道府県の神社で更に研鑽します。大きな神社に奉職すると先ず神職見習いである”出仕”から始まり、平均で3年以内に権禰宜、更に10年〜20年で禰宜になります。宮司になるには相当な年月がかかりますが、社家は例外で実家の神社で宮司である親が亡くなった場合は、遡及にその職を継ぐこともあります。

また、対馬を含め地方の神社では神職1名が殆どですので、一般の方でも権正階以上をもった人であれば直ぐに宮司になることもあります。

7、神職さんor神主さん

ようやく本題ですが、田舎ではよく直階という宮司になる資格を持たない初任神職や神社の出仕、権禰宜、禰宜関係なく神社でみかける神職を”宮司”(ぐうじ)さんと呼んでいる方が多いのではないでしょうか。

これまで述べてきたように、神社で奉仕している神職には宮司、禰宜、権禰宜、出仕という職掌や階級、階位が存在しているため、実は”すべての神職=宮司”ではないのです。

名前と役職がわかっている場合は、よく●●禰宜さん、●●権禰宜さんと呼んだりもしますが、結論として”神職さん”或いは”神主さん”と呼んで頂けたら間違いないのではないかと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました!


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