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東崋山
2021年8月16日 22:59
「何か面白い話はないですか?」ライターの鈴木は、丘の上の古びた洋館を訪れた。洋館にはネタの宝庫が住んでいる。記者になって3年が経ったある日、先輩から洋館に住む少女を紹介された。「くだらない話ならあるけど」めんどくさそうな口調で、少女が答える。2人は洋室の客間で向かい合いながら話をしていた。少女はダルそうにソファで横になりながら、クマの形をしたグミを頬張っている。対して鈴木は、背筋
2021年8月26日 08:05
その日、鈴木は酔っていた。給料日後の金曜ということもあり、先輩たちに飲みに連れ回された。2軒目以降の記憶がない。そして、顔がチクチクする感覚で目を覚ました。ここはどこだろうか。目だけで辺りを見渡すと、少女がしゃがみながら鈴木を見ていた。微笑みながら、スマフォで写真を撮っている。知り合いのユーさんだ。丘の上の豪邸に住んでおり、金と暇を持て余している。どうやら会社の先輩が、酔い潰れた
2021年8月22日 18:52
8月のある日、ライターの鈴木のもとに封筒が届いた。差出人の名前は書かれていない。封筒には蜜蝋で封がしてあり、手で持つと少し重量がある。軽く振ると、中からは金属が触れ合うような音がした。こういう凝った真似をする知り合いは1人しかいない。3年前、上司から紹介された洋館の少女だ。明らかに年下なのだが、自分のことを「ユーさん」と呼ぶことを強要している。莫大な資産を元手に上質なネタをくれるが