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結論、立ち食い寿司は一人旅トラベラーを救う【春の新潟①】

春先に新潟を旅した。
最近、羽越本線に乗っていないことに気づいたからである。

目的地を村上市の瀬波温泉に定め、せっかくなので新潟に前乗りすることにした。


・どうする? 一人旅の夕食問題

仕事先から直接東京駅へ。新幹線に乗り、夜の新潟に降り立つ。
新潟駅は全面リニューアルの真っ只中で、新潟名物・あのバス乗り場もなくなっていた。

一人旅となると、毎回夕食選びに苦労するものだが、新潟に来たからには、寿司なんぞを食べたいものである。

てなことを思いながら、宿泊先の日航ホテルにチェックイン。ホテルから徒歩圏内で「ピアBandai」なる観光拠点があるようだ。HPによれば「日本海の穫れたて鮮魚から産直野菜、旬の果実、おいしいお肉に越後の米や名酒まで欲しいものが全部揃う」とある。ムフフ

・初めて歩く道は、なぜあんなに長く感じる

ホテルフロントのお姉さんに「ピアBandai」までの行き方を教えてもらう。「信号を左に曲がって、道なりにまっすぐ行くと、ありますよ」とのことで、信号を左に曲がる。

新潟は夜の7時。あたりは暗い。県庁所在地であっても、繁華街でなければ、ほぼ人は歩いていない車社会。頼りない歩道を、頼りない街灯の下を、心細く歩く。冷たい港の風が体を冷やす(暗いからなおさらそう感じるようだ)。

道は、右にぐっと大きく曲がるカーブ。先が見えない不安な道だ。横を車がビュンビュン通り過ぎる。ヘッドライトが私を照らしては、さっさといなくなり、再び道は暗くなる。早く着いてくれぇ。

初めて歩く知らない道は、なぜか長く感じるものだ。

もう15分歩いただろうか(実際には7分ポッキリ)。

数分歩くと、心なしか早歩きの先に、あかりが見える。ぼうっと浮かび上がるその様子、港のオアシス・ピアBandai。みんな車で来ており、徒歩で入境する人は旅人ぐらいのもんであろう。

・回転寿司は一人旅トラベラーを救う

ピアBandaiには15の飲食店はショップがひしめいている。煌々と灯りがついており、人で賑わっている。嗚呼、人の温もりよ。

はてさてと、事前にチェック済みの「佐渡回転寿司 弁慶」に向かう。ウヒヒ。回転寿司屋は一人でもしれっと入りやすいのが魅力だ。

回転寿司は一人旅トラベラーを救う。新潟・富山・石川(もしかすると福井も)にかけての、日本海沿いの回転寿司の美味さと言ったらない。毎度「これが回転寿司で!?」と号泣するほどで、密かに「回転寿司黄金ベルト地帯」と名付けている。

意気揚々と向かった先、目に飛び込んできたのは、脅威の「60分以上」待ちの表示であった。ぐぬぬ。さすがは回転寿司黄金ベルト地帯。待ち時間も天下一品である。平日なのにぃ。

頭からタライを落とされた気分だ。60分はさすがに待てん。腹の虫が暴動を起こしかねない。

再び、港の風とともに、ピアBandaiを彷徨う。

今日の夕食プランが港の泡となり、どうしようと、ちょちょぎれ涙をぬぐった先に、「別館立ち食い 弁慶」なる看板の文字が目に入る。先の寿司屋の立ち食いバージョンのようだ。中を見ると、ガラガラに空いているではないか。

・立ち食い寿司も一人旅トラベラーを救う

とりあえず、寡黙な大将に声をかけ、ビールとタコの唐揚げを頼む。

「大将、今日はどんな魚が入ってる?」なんて威勢よく話しかけられる旅人に憧れている。地元の店でいろんな人との交流を楽しめる「寅さんタイプ」もあるようですが、私は交流が苦手である。すぐさま自分の中に孤独な「井之頭五郎」を召喚させる。

なんてことを考えながら、握り、とビールおかわり。

おまかせ握り8貫、1210円の衝撃!

そそくさと食べて(無論うまい)、店を出る。満足。

帰るころには、ビジネスマン1人と、カップルのお客がお寿司をつまんでいた。きっとファミリーは回転寿司のほうに行くのだろう。混んでいる店を横目に、カウンターにさくっと入れるのは、一人旅のメリットだ。

・帰り道は、なぜ短く感じるのか

さてホテルへの帰り道。またあの暗い道を通るのかと、少しブルーになったが。

「あれ、こんなに近かったっけ?」と思う間に、ホテルに着いた。そう、初めて歩く道は2倍長く感じ、帰りの道は1/2に感じるものなのだ。「行きはヨイヨイ帰りは怖い」の逆である。「逆とおりゃんせ現象」とでも名付けようか。

ホテルのラウンジでは、ワンコインで日本酒を飲めるコーナーがあった。せっかくなのでスルッと1杯。さらにいい気分で部屋に戻る。

初めて歩く道は、なぜあんなに長いのか。部屋に戻って、ChatGPTに聞いてみた。

初めての道は、新しい情報や景色に注意を払い、環境を探検するため、時間が長く感じられます。一方、知っている道は、すでに脳が記憶しているため、注意を払う必要が少なく、自動的に移動することができます。この自動化されたプロセスにより、時間が短く感じられるのです。また、新しい経験は脳により多くの情報を処理させ、そのために長く感じることもあります。

とのことである。ほーん。

・今回の旅程まとめ

DAY1
16:00ごろ 東京発
 ・上越新幹線
18:00ごろ 新潟着
 ・ホテルにチェックイン
19:00ごろ 夕食
 ・ピアBandai「別館立ち食い 弁慶」
 ・ワンコイン日本酒
20:00ごろ 部屋に戻る

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