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utakata
2019年2月15日 22:49
「おかあ!」そう叫んで、裸足で玄関を飛び出した。夕暮れ時、家の前に通っている舗装されていない道路の脇に、不安そうに佇む少年が見える。おぼろげな記憶の片隅にある、6歳の頃の私だ。お母(おかあ)が帰ってこないのだ。往来する車を、涙ぐみながら必死に注視していた。あの車かな、次に曲がってくる車だろうか、そんなすがるような気持ちで母親の帰りを待っていたのだ。痺れるような恐怖心が全身を