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【ノスタルジールポ】二丁目に転がる覚書

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1989〜1999年頃の空気感を。 子どもだった自分の視線で。
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#ルポ

本当の怪物

本当の怪物

「おかあ!」そう叫んで、裸足で玄関を飛び出した。

夕暮れ時、家の前に通っている舗装されていない道路の脇に、不安そうに佇む少年が見える。

おぼろげな記憶の片隅にある、6歳の頃の私だ。

お母(おかあ)が帰ってこないのだ。

往来する車を、涙ぐみながら必死に注視していた。

あの車かな、次に曲がってくる車だろうか、そんなすがるような気持ちで母親の帰りを待っていたのだ。

痺れるような恐怖心が全身を

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