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小説「水際の日常。」

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人の多すぎる都会は怖い、でも寂しくならない程度に人の気配があって、海に面した土地がいい…。 なんのゆかりもない過疎の港町に引っ越してきたアラフォー子なしバツイチのあたし。人口を1…
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#不倫

小説| 水際の日常。#8 - サレ妻、下剋上新カノと旦那包囲網に無念の撤退。

小説| 水際の日常。#8 - サレ妻、下剋上新カノと旦那包囲網に無念の撤退。

■別れたくはなかったけれど

 智之が不倫する可能性を、あたしは想像すらしたことがなかった。信じ切っていたというよりも、疑うということを思いつかなかったのだ。

 冷静になってみると、智之ばかりを責める気にもなれなかった。
 あたしも、知人から芸能人まで…情の強さ深さにグラデーションはあるが、結婚後の浮気心には複数の心当たりがある。浮気心以上の浮気も、プラトニックとはいえ、なきにしもあらずだし、プ

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