見出し画像

もう一つの「脳のゴールデンタイム」があるらしい【書評】

わたしは日本で受験できる最難関のワイン試験『英国WSET Level 4 Diploma』試験に挑戦し、4年かけて合格証書を手にすることができました。最終合格したのは2017年のことです。

今思えば4年の受験中は、わたしの人生で後にも先にも、最も忙しいんじゃないかというタイミングでした。

・フルタイム会社員
・保育園児の育児中
・第二子の妊娠、出産、授乳
・育児休暇
・職場復帰
・夫は帰宅の遅い会社役員
・たよれる両親は近くにいない

という状況でした。

「こんなタイミングでなんでディプロマなんか受けようと思ったの?」という突っ込みに対しては、別の機会に投稿したいと思います(笑)

ディプロマ試験は、英語ネイティブの受験生でも最低600時間の学習は必須とされています。しかも私は英語が苦手のノンネイティブでしたので、その3倍または4倍の学習時間が必要でした。

乳飲み子を抱え、睡眠時間を確保するのも難しい状況の中で、いかに学習時間を確保するかが常に課題でした。まとまった時間を確保できないときでも、こまぎれ時間を最大限に活用していました。

だから、時間管理術にはとても関心があって、受験中は本やサイトを参考にしていましたし今でも興味があります。

現在は WSETディプロマ受験生向けの学習サポートを行っているので、お仕事や育児をこなしながらがら学習に取り組んでいる受験生に有益な情報があれば、都度お伝えするようにしています。

最近読んだこの本は、忙しい受験生に役立ちそうなことがたくさん書かれていました。

『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』


著者は精神科医で作家の樺沢紫苑先生で、2017年3月に出版された本です。

樺沢先生は、精神科医としてメンタル疾患や病気の予防するという目的のもと、たくさんのタスクを毎日、しかもこの本が出版された時点ですでに7年以上も継続しているそうです。

本の冒頭で一日のスケジュールが紹介されていましたが、びっくり仰天のスケジュールでした。

人の4倍仕事をして、人の2倍遊ぶという、神がかった時間術を実行しているそうです。


さて、朝起きてから2~3時間は脳のゴールデンタイムというのは、周知の事実ですね。

わたしは22時台に寝て5時台に起きるという朝型人間なので、朝は集中力が高いというのは実感としてわかっていましたが、もう一つのゴールデンタイムが存在することは、初めて知りました!

もう一つのゴールデンタイムとは、午後の運動後です。

午後の疲れてきた時間に有酸素運動を1時間ほどすると、脳を朝起きたときと同じ状態にリセットすることができるそうです。

著書の樺沢先生は、時間帯によって取り組む仕事内容を変えているそうです。集中力が高まる午前中はヘビーな文章の執筆に、午後のランチ後はメルマガやSNS向けの軽めの記事の執筆時間に充てているそうです。

午後3時を過ぎるとさすがの樺沢先生も集中力が下がり、仕事の効率が大きく低下するんだそう。樺沢先生は、この夕方の時間帯にジムで体を動かしているんです。

午後の運動によって集中力がほぼ100%回復すると、著書には書かれていました。

特に知的な労働には「運動」が必須であるとも書かれています。その根拠として、ノーベル文学賞候補作家の村上春樹さんが、もう20年以上、毎日1時間のランニングを続けている事例が紹介されていました。それも、台風の日も大雨の日も欠かさずに。村上春樹さんにとっても、執筆のために運動が不可欠なんだそうです。

ただし、運動のやりすぎ(2時間以上)は集中力を下げるそうなので、激しい運動や長時間の運動ではなく、ほどよい有酸素運動を適切な量(人によるけど1時間ほど)するのが良いのだそう。

適度な運動をすることで、脳がリセットされ朝の状態に戻り、しかも夜ぐっすり眠り良い睡眠を確保することもできます。その結果、翌日の集中力が大幅にアップしますよね。しかもダイエットにもなるなんて。良いことだらけです!

同時に知っておきたい情報として書かれていたのが、

BGMを聞きながらの学習は、ダメです。人間の脳はマルチタスクができないので、「本を読む」作業と「音楽を聴く」作業を同時にできていたとしても、実は脳の中では2つの回路を1秒間に何度も切り替えているそうなんです。

つまり、「ながら勉強」ははかどるどころか、効率をものすごく下げているそうなんです。それでもBGMを聞きながら学習したいという人は、その点を考慮してやってみてくださいね。

寝る前15分は、記憶のゴールデンタイム。寝る前15分に記憶したことは、最も記憶に残りやすいそうです。暗記系に取り組むのに良さそうですね。

寝る前15分は記憶に残りやすい時間帯なので、その日あったつらかったことや失敗したことを思い出すのではなく、楽しいできごとを思い出す時間に充てると良いそうです。

ほかにも、

「絶対にやってはいけない朝の習慣」
「最適な仮眠方法」
「寝る前2時間にすべきこととしてはいけないこと」
「受動的娯楽と能動的娯楽」

など、有益な情報がたくさん書かれていました。

試験を目指している受験生はもちろん、「自由な時間」と「心と体の健康」を手に入れて、「自分の人生を楽しみたい」あらゆる人にとって有益な本だと思います。

興味があったら読んでみてくださいね!


よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!