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双極性障害の彼女とバセドウ病の僕 Vol.10~愛だけでは生きていけない

大切な人を救うにはどうすればいいのだろうか。

最近やることが山積みだ。

でもずっと彼女のことを優先して考えている。

僕にできることはなんなんだろう。


◆休職中の彼女

彼女は双極性障害になり心身共に疲労がたまったので休職することになった。

彼女は働かなければ生きていけないんだとボロボロになりながら言っていた。

何度目だろうか。

何度も何度もすすめてやっと休職届を出してくれた。

これでやっと休めるね。とほっとしたのも束の間。

休職して1週間、働かないで家にいることが彼女を苦しめるようになった。

何もしていないのにお腹がすく。

生きている価値がないのにお金がかかる。

私はゴミだ。

あずはそう言う。

僕は何度も彼女の考え方を訂正しようとしても耳を傾けてくれない。

うつ状態のときは僕の言葉は届かないみたいだ。

夜になると症状は尚強くなる。



◆曖昧な表現

僕は真剣にあずと同棲を考えている。

あずの実家に近い場所に住もうと考えていて、いくつか物件の候補もあげてある。

問題は今の僕の職場まで1時間くらいかかること。

僕は通勤時間が一番無駄な時間だと思っている。

だから同棲する場所に近いところに転職を考えている。

今の職場はお給料も高くないし、ストレスもあるし、病気に理解はないからいい機会だと思った。

でも正直、僕の能力は低いほうだ。

個人開発やサービスの提供もしたことがないし、kagleマスターでもないし、ハッキングもできないし、C#やjavaやCOBOLもできない。

(というかなんで僕の住む地方だとCOBOLやVB.netが多いんだ。)

pythonを使って機械学習やスクレイピングができても採用されない。

世知辛い世の中だと思う。

だから転職もなかなかうまくいかない。

そんな僕を見兼ねたのか、あずのうつ状態は悪化してしまった。

「同棲、現実的に無理だよね」と言われてしまった。

どうしてそう思うのか聞いても答えてくれない。

でもきっと僕の転職がうまくいかないのがそう思うに至った原因だと思う。



◆連絡頻度が減った

僕の職場は1月から繁忙期に入った。

おまけに従業員の数も減ってしまって余計忙しい。

4人で10件の仕事をこなしていたのが今では2人で30件の仕事量に増えた。

仕事中LINEすることもできず、家に帰ったら疲れて寝てしまう。

noteの更新頻度も減ったが、あずとの連絡も減ってしまった。

きっと連絡頻度が減ったのもあずを不安にさせた原因だろう。

彼女が休職するまで僕は彼女のことを今よりももっと真剣に考えていたんだと思う。

仕事が終わったあと彼女に会いにいったり、電話も毎日かかさずかけていた。

でも彼女が休職して安心したからか、連絡頻度が減ったのは確かだ。

同棲するまではもっと連絡しないといけない。

不安にさせたくない。



◆彼女の不安

休職していても彼女の症状はよくならない。

なんなら悪くなっている。

彼女の望みはなんだろうか。

なにが彼女を不安にさせているのだろうか。

・復職できるか

・同棲できるか

・将来どうなるのか

・僕に嫌われないか

いくつか思い当たることはある。

まずいざ復職するとなったときにちゃんと戻れるのかどうか、体が動くのか、頭で覚えているのか、席はあるのか、これらが心配なんだと思う。

次に同棲できるか。これは僕が転職できるのかって変換していいだろう。

将来どうなるのか。これは抽象的で難しい。

最後に嫌われないか。僕が否定しても彼女には届かない。どうすればそんな心配を払拭できるのかわからない。結婚という確かな証拠が欲しいとは言われるけど、まず転職や同棲、病気のことなど片付ける問題がたくさんある。

が、すべてはお金があれば解決できると彼女は考えている。



◆お金ですべて解決できる

彼女の不安はすべてお金で解決できる。

看護師として働いている彼女はお給料に不満があるらしい。

病院内では誰よりも働いている看護師。

それでも外来勤務の看護師は誰よりもお給料が低い。


彼女は職場が原因で病気になった。

幾度か休職をしたせいで昇給はなしになり、賞与も通常よりも少ない額だったそうだ。

職場が原因で働けない体になったのに、医療費も他の人よりもかかるのに、お給料は他の人よりも減らされるのか。

彼女の不満はいっぱいだ。


彼女は同棲できるかどうかが心配になっている。

僕のことを思って「ゆっくり転職していいよ」とは言っているけれど、本心では早くしてほしいと考えているに違いない。

そうでなければ「同棲は無理だよね」なんて言わないだろう。


これらは全てお金があれば解決できる。


復職する必要もない、僕の転職を待つ必要もない、将来に不安を持つ必要もない。

あずは前澤さんのTwitterで100万円プレゼント企画に応募したらしい。

でも「返事がないからハズレたんだ、私は幸せになっちゃいけない人間なんだ、いつも運が悪い」と悲観している。

確率で考えればハズレる人のほうが多いのに、ハズレ=レアケースだと勘違いしている。

宝くじもロト6もBIGもナンバーズも当たれば運がいいと言える。

でもハズレたら運が悪いってわけじゃない。

ハズレるのが普通だ。

そのくらい不安衝動が彼女の思考力を歪ませている。



◆愛はお金を生まない

彼女は愛情に飢えている。

僕は愛を与えたつもりだったけど、愛だけじゃ足りなかった。

愛はお金を生まない。

お金は余裕を生む。

そして余裕は愛を生む。

僕の取った行動だけでは彼女の不安を取り除くことはできなかった。

結局、死にたいと言われてしまった。

もう全部辞めたいと言われてしまった。

僕にできることはないのかな。



◆幸せになれると思ってた

「僕にできることはない?」

僕は苦しんでいる彼女に問いかけた。

彼女は言った。

「一緒になって幸せになれると思ってた。」

「けどもうわからない。」

そんなになるほど苦しめていたんだね。

ごめんね。



◆あずへ

僕の声は届かないみたいだから、ここに書いておくね。

いつか届いてくれたらうれしいな。

僕は君をとても大切に思っている。

同棲したいって気持ちも、一緒になろうって言った言葉も本心だ。

君が笑ってくれるなら、望むことをできる範囲で叶えようと思う。

いちご狩りできなかったのは残念だったね。

また、時期が来たらチャレンジしよう。

僕の力不足で不安にさせてごめん。

転職がんばるから、仕事もがんばってお金の余裕も作るから、悲観しないで。

君は悪くない。

無理する必要ない。

なにも心配いらない。

必要とされていないなんて誰も言ってない。

価値がないなんて思ってない。

今は療養するときだから休んでいていいんだ。

きっと元気になる。

不安はいつか消える。

大丈夫だよ。