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「入社の決め手は人です」に文句を言いたい

「御社に入社を決めた決定的な理由は何ですか」

これは就職活動における学生から社員への最頻出質問ではないか。
22卒として約90社の企業説明会に参加した私は思う。

この質問、確かに就活生からするととてもコスパのいい質問なのだが、私にとって納得できない答えが一つある。

「入社の決め手は人・社員です。」

と、企業説明会で答える社員・企業である。

就活生の意図ってこんな感じ

その答え方を聞いた説明会は複数回あった。
1度や2度ではない。

その答えを聞くたびに、なぜ学生が社員の方に入社動機を聞いたのか考えたことがないのかと思う。

社員様に入社動機をお聞きする理由として私は次のように考える。

・社員視点から自社の1番魅力的な点を聞くことができる
・複数社(同業他社など)を比較したお話を聞くことができる
・自分が着目していなかった企業研究の視座を与えてくれる可能性がある

あくまでパッと思いついた3点をあげた。

共通点としては、「これから御社を理解していくための道標が欲しい」というメッセージ性が含まれているということではないだろうか。

卑屈に言い換えると、手っ取り早く面接などの選考で使えそうな材料を、社員の口から直接聞きたいということではないか。とも言えるが。

入社の決め手は人です!

就活生の意図を就活生の立場から分析したが、それを踏まえて「入社の決め手は人です」と社員から答えられたら質問者はどう思うだろうか。

私はその答えを聞くたびに、それは内定を頂いてから考えることではないかと思う。

就活生としては、「そうか、社員の人がいいんだな」とわかったところで得られることは先述したような期待していたことと比べると多くない。

加えて、以降の選考で主として使えることはない。

御社の志望理由は「社員様の人がいいからです」なんて、選考の中で面接官に伝えたところで「弊社である必要はないよね」と言われることは見えている。

この話は主観と卑屈で構成されています

あくまでも就職活動生の立場から今回は意見を述べた。
しかもかなりゴリゴリの主観なのは理解しているつもりだ。

だとしても

「入社の決め手は人」

この答えは就活生からすると無意味に等しい答えではないか。
企業に対する理解を深めることやその契機にすらならない。
その答えは内定をもらって初めて考えることではないか。

「入社の決め手は人」

企業・人事・社員として、「入社理由は人」と答えることに対してこういう意図があったんだと理解することができる日は来るのだろうか。

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