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遺言

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「遺言」の記事をまとめました。
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遺言 エピローグ

「〇〇さんも、何らしかあるから、これだけここに居るんだろ」 【おばあちゃんの遺言を守るために居たのよ】 と、今ならハッキリ言えます。おばあちゃんが亡くなってから約10年。それまでに色々な事をやってきた中で、情けない事に忘れてました。色々と言う言葉で片付けてしまうには数多、しんどい事がありました。 記憶に鮮明なのは、あまりな業務量で体調を崩し、一週間くらい出社できない事が数回ありましたが、偉い人に「体調管理がなってない」で終わらされるとか。ちなみに、北関東から自転車でディ

遺言5

なんでこんな状態で出社するのか? おばあちゃんが出社する前から、もう、おばあちゃんは生きられない。と、周りから聞いてました。そんな中、出社してきたおばあちゃん。 液体の抗ガン剤を常に投与している状態で、機材が入った転がる荷物入れを転がしながらの仕事。もちろん、元気なんかありません。喋れますけど、昔のような流れもありません。 そして、この抗ガン剤。私は投与されてる訳ではありませんが、おばあちゃんの近くにいるだけで、目眩を起こしそうになります。それほどに強力な薬を打ちながら

遺言3

おばあちゃんが、ガンになりました。 が、それでも普通に出社してきます。「いや、そこまでしなくても…」と内心思ってましたが、仕事ぶりを見るに言うに言えないでいました。そもそも、そんな状態で出社させていいのか? どうなってんの、この会社は? と、むしろ怒りも湧いてました。 そうしていると、おばあちゃんは何かを感じ取ったのかも知れません。仕事中にふと… 「あの人のワガママは凄くてね…。やんないと…」 あの人とは、一番偉い人です。今まで「いつ結婚するの? あなたは?」みたいな

遺言2

「あなた、いつ結婚するの? サッさとしなさいよ」 「いや、そう言われましても…」 と言うやり取りが毎日一回、必ずあります。お昼が一緒(食堂のような所で一緒に食べるスタイルです)になった時は、 「あら、こっちにいらっしゃいよ」 「あ…、はい…」 と言うのがほぼ確です。どこのお姉さんでしょうか(w;。これらのやり取りが嫌とかではなく、なんて表現すればいいか、難しいんですが全く悪い気はしません。 その他にも、色々な点に食い付いてくる(例えば、髪型がちょっと変、とか)ので

遺言

「〇〇さんも、何らしかあるから、これだけここに居るんだろ」 本業でのある日、これから辞める人ともう一人、私の3人で話していた時、辞める人からふと、言われました。 この時はパッと「~だから」と、居る理由を言えず、むしろ、何でここに居るんだっけ? と、ずっと考えてました。 と言うのは、その昔、謎の体調不良で一週間行けないとか数回やってまして、そんなに体壊す程、何か良いことあったか? と聞かれると、何も無く。 思い出す限り、これと言って良い事はなく、思い返せば返すほど「何で