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現代・妖怪じてん

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現代・百鬼夜行絵図。 誰の心のなかにもひそむ闇をカタログ化。
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#批判

妖怪図鑑10:甚兵衛文身

妖怪図鑑10:甚兵衛文身

 古代中国の歴史書『魏志倭人伝』には、当時の日本列島の住人の風貌について、こう書かれている。

 黥面文身、と。

 「黥」の部首は「黒」である。魚偏の「鯨」ではない。これは「墨」を表している。「黥面」とは顔に、そして「文身」とは身体に、入れ墨があることをいう。
 つまり、卑弥呼の時代の日本人は、全身に入れ墨を施していたということになる。その理由は明確ではないが、魏志倭人伝にはサメやウミヘビなどの

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妖怪図鑑9:一言居士

妖怪図鑑9:一言居士

 葛城の古い神、「すべてを一言で言い放つ神」とされた一言主(ひとことぬし)を起源とする。その名のとおり、やたらとコメントしてくる妖怪だ。
 とりあえず、一言、なにかを言わずにはいられないらしい。頼んでもいないのに、とりあえず口をはさんでくる。

 現代の記号化社会において爆発的な増殖を示し、インターネット、特にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で頻繁に遭遇することが知られている。

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