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私が小説家になるまでの投稿歴を超具体的に書いてく②

(↑前の)

前回同様、下記のようにまとめていきます。

・タイトル
・だいたいの内容
・応募先 / 結果

【3回目】

・「ソプラノと葡萄棚」
・女子高生が少女連続殺人事件を追う恋愛ミステリー
・メフィスト賞/ 落選

…この「ハチミツとクローバー」に影響を受けたっぽいタイトル…何とも言えん。
作品をずばりと示したタイトルもいいんですが、私はこういう作中にちょろっとしか出て来ていないガジェットを並べたタイトルが妙に好きなのです。

2回目でプロの編集者に批評を貰ったことで自信がついたので、ついに憧れのメフィスト賞に応募することにした。
これまた異色の賞なのですが、詳しくはググってください。

一作家一ジャンルなどと言われるほど個性豊かな作家を輩出しているこの賞は、私の中ではすごく特別な賞でした。
そもそもミステリに目覚めたのは西尾維新さんの戯言シリーズが発端だったし。そこを入り口にいろいろ読んだ。

デビュー後にもメフィ賞出身の方とお会いする機会があったのだけど、(メフィ賞の人だ!すげぇ!すげぇ!)とずっと思っていたし。
心の中の小さい自分がずっと反復横跳びしているようだった。

なんかねぇ、もう人を食ったような小説ばかりで最高なんですよこの賞から出てる本は。
最初に影響を受けたものってやはり大きくて、私の中の推理小説の基本形はこの辺りの本になっちゃってるので、私の小説も、謎は解けたけどモヤモヤするとか、犯人が捕まらないみたいなのが多い気がする。

応募作はこんな感じの話でした。

ルイス・キャロルのようなロリータコンプレックスの天才ピアノ青年と、幼いころ彼の寵愛を受けていた“元・少女”である美貌の女子高生主人公。
永遠に思えた相思相愛が「主人公の成長」で崩れ始めた折、街では「美少女連続殺人事件」が起こる。
主人公は彼の潔白を証明するため友人(微百合)と独自に事件を負い始める…。

メフィスト賞は
 落選→三行コメント
 見込みアリ→長文コメント&編集から連絡するかも&受賞かも

…という感じなのですが、落選でもらった三行コメントはたしか「本筋以外の話が長すぎる」みたいな講評だった気がします。

自分は正統派ミステリより、ワントリックを主軸に横道で人間ドラマが展開していく小説が好きなのでそういうのを目指したのですが(デビュー作もそうだ)、ストレートに仇になったようです。
恋愛部分がつまらなかったんだろうな~。

ちなみにこの話、というかテーマは焼き直してデビュー後に「少女証明-メイデンティティ-」という短編として小説新潮で発表している。
こちらはミステリ要素はないし、キャラも設定も違う、まったく違う小説になりましたが…。
「ルイスキャロル的異常男×育ってしまったアリスの悲恋」というテーマはデビュー前から何度か書いているのです。

【4回目】

・「百人島」
・孤島で百人死ぬ犯人当てサバイバルミステリー
・メフィスト賞/ 落選

前回の落選を受けて「とにかく派手なことやってやる!」という気持ちで書いた。

「百人殺人」なんて、ものすごい単純だけど、こういうキャッチーさがメフィスト賞らしさだと思っていたのです。

すでに「コズミック」という偉大な先行作があるにもかかわらず…(「1200の密室で1200人が死ぬ」というものです)
…一応当時の私は本気だった。

コズミックはやや禁じ手に近いオチだったこともあり、賛否両論だったのは周知の事実だろう(でもあのオチしかないよね?)。
それも私の背中を押した。

なので「百人島」では、単独犯が明確な意思と方法で一切の偶然やトラブルや支援者なしに犯行し、結果百人死ぬ話にしようと最初に決めたような気がする。
(犯人がきっちり百人殺すわけではない。犯人含めて島で百人死ぬ)

具体的にはこんなあらすじでした。

事故死した両親の遺言で太平洋の孤島「百人島」へ渡った十四歳の少女(主人公)。
百人島には「島民の数がぴったり百人になると悲劇が起こる」という言い伝えがあった。主人公が島での暮らしに慣れ始めたころ、島を支配する網元一族、百人島家の当主の首つり死体が見つかり、島民が百人になってしまう。
それを受けて本土で暮らしていた跡取り娘と使用人たちが越してくるが、跡取り娘は姿を見せない。同時に上水道へ毒物が混入され大勢が死に、船もすべて流され、惨劇が幕を開ける…。

データがまだ残っているんだけど、当時使っていたパスワードを忘れて開けなくなっているのでうろ覚えです。。

講評は確か「百人殺人という派手なテーマのわりに展開が地味」という感じのものでした。

ごもっともでございました…。
犯人は地道に、地道に、殺していったのでね……。

ちなみに各章の最後に必ず、「残り、〇〇人――」って入れていて、それがかっこいいと思っていた。

最後にすべての謎が解けて主人公は島を脱出。
犯人は、実は主人公の血縁上の父親であった若い青年だったという…。
主人公が犯人を殺して収束したんだったかな? 

主人公は実は、百人島家の奥さまと間男だった犯人の間に生まれた子で、跡取り娘とは双子の姉妹だったのである。

もちろん奥さまと当主の子ということになっていたものの、まさかの双子だったので、島民を百人にしないために生まれてすぐ主人公だけ里子に出されたのです。
(人数的にタイミングが悪かったのだ!)

しかも主人公は間男犯人を実の父とは知らずに淡い恋愛感情を抱いていて、でも跡取り娘と出会い、百合的に惹かれ合い、最終的に犯人とわかった彼を自らの手で殺す、という選択をするんです…。

最後に、主人公は自分の出自とか色々な兼ね合いで、自分は死んだことにして姿を晦ますのだけど、逃げて一息ついた先で眠りに落ちながら「残り0人――」ってなって終わり…(最後の一人は自分…)
…という小説でした。

私の好きそうな設定がてんこ盛りに詰め込んでありますね!

読み返したいなぁぁ、いや見るに堪えないと思うけど…
何でパスワード忘れちゃったんだろう


…さて、そんなこんなでメフィスト賞に二回落ちた私は(ミステリ向いてないのかな…?)と思い始め、ミステリ以外の賞を目指し始めます。

次は「新潮社・女による女のためのR-18文学賞」編だ~!

ではまた次回。ごきげんよう。

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