東京探索記 19 落合の牡丹
前の記事では躑躅を紹介。そしてソメイヨシノのあとに急いでみないと花どきを過ぎてしまうのが牡丹。
かつての牡丹は4月下旬、ゴールデンウィーク前が見ごろの感じでしたが、今は早まり、4月中旬には満開を迎えるようです。。。
「満開を迎えるようです」と自信なさげなことを書きましたが、牡丹の咲き時、満開時がどうもわかりません。ソメイヨシノ、躑躅などと異なり、街中にあふれているわけではなく、民家の庭先でもほとんどみかけません。ではどこで咲いているのか?
それはお寺に咲いているイメージです。
それもそのはずで牡丹はそもそも薬の素材として中国から日本へ持ち込まれてきました。たぶん奈良時代とか平安時代のころ。当時、薬を調合したりしていたのは仏教寺院でした(と思う)。
全ての寺院ではなく、薬師如来を本尊とする薬師寺、薬王院、医王寺などの名前の寺院で扱っていたと思われます。
そのようなわけで牡丹は寺院で栽培管理されてきた。だからその流れで今でも寺院には牡丹の見どころが多い、のではないのかな。
ちなみに薬として使われたのは茎の部分。
えっ!花は?使われていなかったようです。こんな美しい花を見ないなんでもったいない。。。
さてそれでは、その牡丹を観に新宿区下落合の瑠璃山薬王院東長谷寺を訪れました。ここは、ぼたん寺としても知られている場所です。
薬王院の前には妙正寺川が流れており、この辺りは川の流れる南側が低く、北側が台地の地形になっています。寺院もこの地形を利用して南面している傾斜地に牡丹を植えています。
台地の上側は墓地となっています。高台に墓地をおいたのは昔、川が氾濫を繰り返した名残なのではと思います。
訪れたのは4月21日。冒頭に書いたように年々牡丹の開花時期を早まっているようで、傾斜地の牡丹はもうほとんど花が終わっていました、残念。。。
山門からはいった低いほうの牡丹はいずれも大輪がたくさん咲いていました。こちらはちょうどいいタイミングだったようです。
白、黄色、ピンク系、ピンク色はうすいものから濃いものまで数種類の花が咲いています。
曇り空のもとでしたが、だからかもしれませんが、花色も綺麗に見えました。
これほどの大輪を毎年綺麗に咲かせてくれて感謝感謝です。
おまけ。
東長谷寺の山号は瑠璃山。この瑠と璃の文字が山門の扉にレリーフで刻まれています。それぞれの文字のまわりには花が描かれていますが、仏教ならではの蓮ではなく、牡丹のように見えます。躍動感があってとても美しいです。
さらに、おまけ。
なぜ瑠璃山なのか?
この寺も薬王院という名の通り、薬師如来を本尊としています。その薬師如来は東方浄瑠璃世界にいらっしゃるということなので、瑠璃山の山号としたのだろうと。
ちなみに西方は極楽浄土で阿弥陀如来が治めています。
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