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海老フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

昔、カプリコン1という映画がありました。
人類初の火星着陸の映像を国家ぐるみで捏造。それに加担させられた宇宙飛行士達の運命を描いたSFというよりサスペンスな映画。
主題としては似ているが、実際にあったとされているアポロ11号の月面着陸の裏側と、関わった人物のラブストーリーを組み込んだロマンチックコメディーを陰謀論フリークがどう見たかを妄想しながら、料理した記録。


写真と名前が逆になっていますね。


米ソ冷戦の最中、宇宙開発ではソ連がリード。人工衛星や宇宙飛行士を宇宙へと送り出した。遅れを取ったアメリカは1960年代中に人類を月に送り込むアポロ計画を進める。
当時はベトナム戦争が泥沼化。宇宙開発よりも平和や福祉にこそ国家予算を使うべきという意見が次第に大勢を占めていく。


材料

海老    4尾
塩     適量
片栗粉   適量
卵     1個
米粉    大匙1
青海苔   小匙半分
粒状大豆肉 適量

そんな中、政府関係者であるモー(ウディ・ハレルソン)は卓越したPRパーソンつまり広告代理業者?のケリー(スカーレット・ヨハンソン)をスカウト。アポロ計画に再び世間の注目が集まるように協力依頼。
一方、アポロ計画の指揮を取っているコール(チャニング・テイタム)はなかなか進まないロケット計画に焦り。
実直で誠実なコールと口八丁手八丁で、時には詐欺まがいとも言える手で望みと成果を追及していくケリーのラブストーリー。


海老の頭と殻を取り除く。

フロリダにやって来たケリー、正式にNASAに出向く前にコールと偶然の出会い。これもラブコメの定番。
ちょっとしたアクシデントの後、
「記憶力はいい方だけど、君程の美人には会ったことがない。ゆっくり話したいけれど時間がないので忘れることにする」
とちょっとキザなことをコールは言う。真面目なだけの堅物でもない。
正反対な性格の二人は時には反発しながら、同じ目的に向かっていく内に距離が縮まっていく。そんな中、モーから新たな極秘ミッション。


背ワタを取り、腹の筋を切り、尻尾の先を切って水分を出す。

月面着陸は何としてでも成功させねばならない。万一に備えて着陸のフェイク映像を作れというもの。
果たしてアポロ11号は無事に飛び立てるのか?撮影したフェイク映像は全世界に流されるのか?ケリーとコールの恋の行方は?
というのが大まかなストーリー。


卵に米粉と青海苔を混ぜ合わせる。所謂バッター液を作る。

アポロは月には行っていない。月面着陸の映像はスタンリー・キューブリックが撮影したフェイクだ。という話があります。これを基にして作られたストーリー。
陰謀論フリークにとっては常識ですな。
地球は天蓋というドームに覆われていて、その外に出ることは不可能。
宇宙飛行士の映像等はすべてハリウッドのスタジオで撮影してます。
色んな映画評では、陰謀論を逆手に取って面白い映画にしたという声が多いけれど、私はそうは思いません。
ハリウッド映画の役割の一つはプロバガンダ。隠されている事実をさりげなく大衆にチラ見せ。
この映画もそれだと思っています。


塩と片栗粉で海老を洗う。洗ったら水で流す。

人類は月になんて行っていない。それはあくまでも虚構の世界。
映画にすることで、それをさりげなくリーク。
「宇宙人はいるの?」とケリーに問われたモーが
「すでに我々の中に潜り込んでいるよ」
と返答。
冗談めかした答えでしたが、これも真実。我々はすでに異星人と共存しています。というかモーという人物自体が異星人ではないかと思わせる神出鬼没ぶり。


バッター液に水気を切った海老を浸す。

「皆が信じても嘘は嘘。誰も信じなくても真実は真実」というセリフがありますが、私はそうは思いません。
人は皆、自分が信じたいことを信じる。真実なんてものは人の数だけある。
常識と言われることの根拠だって自分で見聞したというよりもテレビや新聞がそう言ったからという人が多いのではないか。自分がそれを信じたいから信じているだけ。
劇中、アポロ計画に人々の目を向けさせようとモーは企み、ケリーは飛行士やスタッフに何となく似た役者を使ってインタビュー映像を作ったり(ここからして既にフェイク映像?)、オメガやケロッグという有名企業とコラボ等、あの手この手。
これが示唆しているのも、大きなイベントとかプロジェクトに人々の耳目を集めさせようとメディアが煽る時には、背後で民衆にとって都合が悪いことを隠蔽しようと政府や機関が暗躍している可能性。
この映画の背景になっている1969年はベトナム戦争の最中、そこから目をそらせたいという思惑?
現在もオリンピックというイベントの最中ですが、氣を付けていないと政府や國というものはそんな間に國民にとってよからぬことをやるかも?


粒状大豆肉を塗す。

映画自体の出来も悪くない。良質なロマンティックコメディー。
スカーレット・ヨハンソンが可愛いです。
これまで色気溢れる女というイメージでしたが、本作では原色を多用した60年代スタイルの衣装をあれこれと着て、目を楽しませてくれます。
何故、ケリーが詐欺まがいな手口で成果を求めるようになったかについても、それなりの過去。
一方、コールもアポロ計画の負の歴史に関わった過去から何としてでも月面着陸を達成させたいとの意気込み。
それぞれの背景もしっかりと描かれる。


油で揚げる。

戦闘機乗りだったコールが操縦する飛行機で二人が夜間飛行する場面も秀逸。
徐々に距離が縮まる中、フェイク映像を撮影していることを知ったコールは激怒。こうしたトラブルもラブコメの王道。
ただ、そこまでモーがフェイク映像に拘ることもないのでは?とか終盤、どうしても必要な部品を入手するためにケリーがかなり強引な行為とか。
普通、有り得ないだろうと思われる場面もありますが、コメディ映画ということでギリセーフかなあ。


油を切る。

映画の冒頭と最後に林檎のマーク。つまりアップルが作った映画。
創業者、スティーブ・ジョブスは膵臓癌で死去。
癌という病氣は作り出せる病氣ではないかと私は疑っています。
創業者を消された企業が国家ぐるみの陰謀をさりげなくリークするという復讐もこの映画の隠されたテーマ?


海老フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

映画の中で、ケリーとコールが海老バーガーを食べる場面があったので海老フライ。
筋切りが甘かったようでちょっと曲がった。本当はロケットみたいに真っ直ぐにしたかったが、素人の手慰み料理ではこれが限界。
月に住むという兎を描いた皿に乗せてみた。
グルテンフリーなどかた家には小麦粉もパン粉も存在していないので、米粉と大豆肉を使用。
衣に青海苔を混ぜていることで微かな潮味。ソースなしでも頂けます。
噛めばプリッとした食感。
高タンパクで低糖質な海老、タウリンで食欲増進、ビタミンEやカルシウムも豊富。

月面着陸がフェイク映像なんて馬鹿なことがある訳ないという方は、単なるラブストーリーとして楽しめます。
私のように陰謀論フリークには隠された意味をあれこれと考えられる。そんな映画を妄想しながら、海老フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンをご馳走様でした。




#夏に観たい映画


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