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軍艦大和

軍艦巻きってありますよね。イクラとかウニという握り難い素材を寿司ネタにするための工夫。シャリの側面を海苔で巻いて、上にイクラやウニを乗せる。
これを応用した揚げ物に挑戦。


材料

大和芋  250グラム
葱    4本
シラス  一握り
片栗粉  大匙2
焼き海苔 3枚
醤油   大匙2

大和芋、長芋、山芋、これらの芋、違いがあるのでしょうか?どれも変わりないようにも思えるのですが、違いを知っている人がいたら、コメント下さい。
大和か、しかも軍艦。ということで戦艦大和について妄想しながら料理することにしますが、ここでも疑問。軍艦と戦艦ってどう違う?これも知っている人がいたら、コメントプリーズ。yahoo知恵袋みたいになってきた。


大和芋を出来るだけ細かく切る。

広島県呉の海軍工廠で建造された超弩級戦艦が大和。日本自体を意味する名前を冠されたことからも、大和に寄せられた期待がわかるというもの。
1930年にロンドン海軍軍縮条約が英米日仏伊で結ばれました。これにより各国の新造艦艇に制限。これが失効した1年後の昭和十二年(1937)に起工。律儀に国際条約を守って、制限がなくなってから建造された訳。
史上最大の排水量、史上最大の46センチ砲3基9門を装備。
まだ建造中の昭和十六年(1941)、日本は対米戦争に踏み切り、大日本帝国海軍はハワイの真珠湾を攻撃。これが12月8日のこと。
12月16日に大和は就役。
ところで、真珠湾って誤訳ですね。英語ではパールハーバーなので、正確には真珠港ということになる。湾ならbayとかgulfの筈。
以前、英語で仕事していたことので、こういうことが気になってしまう。


葱を小口切り。

昭和十七年(1942)2月に連合艦隊の旗艦となった大和の初陣は6月のミッドウェー海戦。これが日米戦争の転換点。
それまで勝っていた日本海軍は負け戦。開戦前、連合艦隊司令長官、山本五十六は
「1、2年は暴れてみせますが、その後はわかりません」と言っていたが、その通りに。

1枚の海苔を八等分に切る。

残念なことに、既に大和のような巨大戦艦が戦局を左右する時代は終わっていました。既に航空機が主要な戦力として活躍する時代に。それは奇しくも、日本が空母で運んだ戦闘機により、パールハーバー奇襲を為したことが証明。
負け戦から始まった大和、期待されたような華々しい活躍はもう望めない時代になっていたのです。


全ての材料と醤油、片栗粉を混ぜ合わせる。

巨大な船であるということもあり、大和内部はかなり快適な居住空間だったとか。出される食事もそこそこに良い物。ということから、ヤマトホテルと揶揄されることもあったとか。
快適なことから、そう呼ばれていたのかと思っていましたが、当時、満州に満鉄が経営する高級なヤマトホテルが存在。それに引っかけた呼称だったようです。


ネタを海苔で挟む。

その後、マリアナ沖海戦やレイテ沖海戦にも参加。日本劣勢は変わらず。それどころかレイテにて連合艦隊は事実上壊滅。敗色は濃厚になるばかり。
ついには海上特攻という作戦が取られるようになってきました。特攻には航空機だけではなく、回天という人間魚雷、それに艦艇までもが動員されることに。大和にもその運命が降りかかる。


油で揚げていく。

昭和二十年(1945)4月5日、大和にも海上特攻の命令。目標は米軍が上陸を開始していた沖縄。現地に着いたら、自ら座礁して巨大な砲台と化して、米軍に砲撃を加える。
左翼とかプロ市民とか呼ばれる人達はよく、沖縄は捨て石にされたと声高に叫ぶことがありますが、この一事を見ても、決して大日本帝国は沖縄を見捨てるつもりなどなかったことは明らか。


揚がったら、油を切る。

しかし、大和は沖縄に辿り着けませんでした。
4月7日、坊の岬沖海戦で、米軍の猛攻撃を受けて、ついに沈没。
沈没の原因はボイラーの水蒸気爆発とも主砲砲弾の自爆とも言われます。
巨大な大和の船体は三つに折れて転覆、海底に沈んでいきました。
この時、大和に乗り組んでいたのは3332名。内、戦死者は3056名。


軍艦大和

大和芋の粘りと片栗粉がしっかりと具材をまとめている。大和芋のネバネバ成分や葱のアリシンやビタミンをあます所なく頂けます。目立たないけれどシラスからカルシウムも。濃い目の醤油味なのでご飯のおかずにぴったり。海苔などの海藻、長らく海の恵みを享受してきた日本人しか消化出来ないそうです。外国人は食べてもカリウムやナトリウム、各種ビタミン等の栄養を吸収出来ないとか。日本人でよかった。

大和の船体は今もひっくり返った状態で沈んでいるとか。そのために引き揚げるのは困難と聞きます。
昔のアニメ、というより最近も新作が作られていると聞く、宇宙戦艦ヤマト。
ガミラスの攻撃により、干上がった海に大和の艦橋が正面向いて土に埋まっているという描写がありましたが、実際にはひっくり返っているとすれば、これは有り得ないことになる。
日本の運命を背負った大和、そして地球の運命を背負ったヤマトを妄想しながら、軍艦大和をご馳走様でした。



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