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文章を書いて伝えたいことってなんだろう

一年前、インスタを始めた。
インスタと言っても、私の場合は文章が主で写真はおまけ。35歳独身でも世間が想像してるほど惨めじゃないよと言うメッセージを秘めながら(秘めてはいないかも)日々のことを綴っている。
大変光栄なことに今はフォロワーさんが1万人に増え、たくさんの方に読んでもらえるようになった。
でも、崇高なテーマなんて見当たらない。


伝えたいことってなんだろう?


考えたきっかけは3つ。

ライターの仕事を始めようと思ったとき、いろんな方の著書やnoteを見ると、「自分の得意分野や、自分が書くことのテーマみたいなものを持っておいた方がいい」とあったこと。
もうひとつは、フォロワーさんの数が同じくらいで、同じくインスタに文章を綴っている方とDMでやり取りした時に「何を言われても伝えるべきことは伝えたいと思っている」と仰っていたこと。
3つ目は、同世代のインスタグラマーの方が、地震が起きたとき「フォロワーの皆さん大丈夫ですか」という発信をしたり、避難情報や避難を呼びかけたりしていた。彼女には、自分が発信する側の人間だと言う覚悟と自覚があるのだろう。私にはその感覚は全くないな、と焦ったこと。

みんな世間に訴えたいことがあって文章を書いて、発信しているのか・・・!

書きたいから書いていただけだった

悩んでしまった。
インスタでは婚活、会社の苦悩、転職活動、ジャニオタ活動くらいしか書いていなかったから。しかも文章を読んで解決に至る類のものではなく、ただ仲間がいてよかったー!と安心する類のもので。
なによりも読み手を意識すると言うより、書きたいから、書きたいことを書いていた。

伝えたいテーマってなんだろう?
女性の働き方や、生き方、独身女の地位の向上、前職で携わってきた地方創生については興味があるし伝えていきたいとは思う。
でも、コンサルの方やそれを生業にしている方の書いているような教えてあげる系記事は、どうも上から目線な感じがして自分がやるのはモヤモヤしてしまう(一流の人ならわかるのだけど)。でもこのまま日記の延長みたいなものを書いてていいのか?とモヤモヤ。


ちょっと苦手意識のあった女子高生に救われた


そんなある日インスタで、読者層が10-20代の雑誌のWEB版アカウントから、私の部屋の記事を載せたいと言うご依頼があった。
インスタには部屋の写真を使っていたので写真だけを見て依頼くださったのだと思うが、実際キャプションにはさえない35歳の独身のつらさ、難航する婚活、手遅れ気味の転職話が炸裂。
そのアカウントはフォロワーさんが8万人いらっしゃって、また望まぬ人にこの文章を届け意図せずして傷つけたり、怒らせたりするのではと怖くなった(以前、若めの方からDMで嫌味を言われたことがあるので)。さらに若い子が読んだらこの世知辛い世の中に絶望するんじゃないかと。
「もし10-20代の方がこのインスタのキャプションを読んでも大丈夫だと思いますか」とストーリーに載せて自身のフォロワーさんに聞いてみた。

すると、初めてやり取りをする方数名からDMが届いた。
みんな高校生〜大学生のかただった。
「大人の世界が知れて勉強になると思います」
「自己啓発として読んでます。他の同世代の子にも読んで欲しいと思います」
「自分は結婚するつもりがないので独身生活の勉強のつもりで読んでいます。同じように結婚に興味がない人にとっては暮らしぶりがリアルで参考になると思います」
などなど・・・!
ちょっと泣いた。

そもそも高校生にフォローいただいていたなんて考えもしなかった。完全に同世代の独身仲間しか読んでいないと思い込んでいた。
ダメ女の生態を自己啓発にして本当に大丈夫なのかと言う疑問は大いにあるけれど、私の発信が人の役に立っていたことを初めて知った。
なんだかとても霧が晴れた瞬間だった。
上から目線の教えてあげる系はできなくても、しくじり先生なら私にもできる!
方向性がまとまった。

しくじり先生も社会貢献

変わらず世間に訴えたい壮大なテーマはない。
地震が起きても役立つ情報なんてわからない。
色んな社会情勢に発言もできない。
私の文章を見ても、片付け上手にもなれなければ、ミニマリストにもなれず、お金も貯まらないし、おしゃれにもなれず、メイクも上手くなれないし、モテもしなければ、結婚もできない。
ただ、独身女の日常が綴られているだけだ。
でも、「この人またアホやってんな」「仲間がいて安心する」とか、読んだ人がほんの少しだけぽわんと浮上する文章を書く、それが私ができることなんだと思う。

学びはなくとも、特効薬になれなくても、人生を救う一言を紡げなくても、読んでくれた人がまた明日も頑張ろうと思えるのならそれでいい。
そして、若い子たちにとってこんな未来もあるのかと選択肢の一つになれたらいい。
これも立派な社会貢献(と思いたい)。

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