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ES不要!研究に夢中な学生を歓迎する「論文エントリー」

こんにちは、渡辺です。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズというコンサルティング会社で人事の仕事をしています。

CASTER BIZ recruitingさんに「採用Advent Calendar2021」のお声がけをいただきましたので、張り切って書きます。
昨年もお声がけいただき、初めてnoteを書いたのですが、それがきっかけで週1でnoteを書き続ける習慣がつきました。

今回は、ケンブリッジのコンサルタント新卒採用で取り入れている「論文エントリー」という仕組みを紹介します。

「論文エントリー」とは何か?

コンサルタントの新卒採用選考にエントリーする際に、学生自身が書いた研究論文を提出するエントリー方法です。
2016年からこのエントリー方法を導入して、今6年目です。

エントリーシートは不要です。自己PRも志望動機もいりません。

※なおエントリーの際は、論文を提出しない「一般エントリー」も選べます。そちらもエントリーシートはありません。

なぜそんなエントリー方法を導入したのか?

コンサルティングで求められるスキルと、研究で求められるスキルの間に相似性があると思っているからです。

【コンサルティングと研究の似ているところ】
・対象とする領域に興味・熱意を持つ
・答えのない世界で考え続ける
・仮説、オピニオンをもつ
・プロセスを自ら設計して進める
・先行研究、事例を分析して示唆を出す
・取り組んだ内容を分かりやすく第三者に伝える場面が多い
(他にもまだありそう・・)

一方で、研究に熱心な学生ほど、就職活動の準備に費やす時間がありません。

就職に関する情報を集めたり、エントリーシートを書いたりってめちゃくちゃ時間がかかりますよね。
でも、研究に熱心な学生は、エントリーシート作成よりも実験・論文執筆に時間を使いたい。

結果的に、「能力面で親和性が高い研究者の学生が、通常の選考スキームに乗っかりづらい」という構図に至っているのではないか。

この構図に勝機を見出しました。

どんな面接をするの?

論文エントリーの学生に対しては、研究経験のあるコンサルタントが面接を担当します。
研究領域が極力近い人をアサインするように工夫しています。

面接担当は、提出してもらった論文を事前に読込み。そのうえで論文の内容・研究プロセスを中心に話をお伺いします。

ケンブリッジに対する志望動機、自己PRは面接でも聞きません。
志望動機や自己PRは、選考プロセスで会社と学生が共につくっていくものだと思っています

学生の反応、入社後定着も上々

実際に論文でエントリーして内定、入社した人は、こんなことを言っています。

「珍しいけど真っ当だなと思った。世の中に一風変わった選考は数多くあるが、単に奇をてらったものが多い。論文エントリーは、珍しいだけではなく筋が通っている」

「研究を頑張ってきた人にとって、論文は自分を映す鏡。その論文を深掘りしてくれること自体が嬉しい。」

論文エントリーで入社した社員はすでに10人以上いるのですが、当初の目論見通り、活躍してくれています。

運用するうえでの課題

一方で、このエントリー方法を運用するうえでの課題もあります。

前述のとおり、論文に真っ向から質問できるよう、研究経験のあるコンサルタントを面接担当にアサインしています。
そのため、面接を担当できるコンサルタントの数が限られます(私自身も論文面接は担当していません)。
応募者の数が増えるほど、面接を担当するコンサルタントに負荷が集中してしまう可能性があります。その点が課題です。

まぁ意外と面接担当のコンサルタント側も楽しいらしく、現時点ではそこまでは大きな課題には至ってはいません。

おわりに

もう15年以上前ですが、私も卒論だけは頑張った大学生でした。
寝ても覚めても卒論のことを考えていた時期のことを思い出すと、確かにコンサルタントの仕事と親和性ありそうだな、と実感を込めて思います。

新卒選考に取組む人事の皆さんの参考になればと思い、ケンブリッジの「論文エントリー」の仕組みをご紹介しました。


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